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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 基礎知識コラム 増えている⁉多嚢胞性卵巣症候群は防げる?卵子に影響する?【Q&A/不妊治療専門ドクター監修】

増えている⁉多嚢胞性卵巣症候群は防げる?卵子に影響する?【Q&A/不妊治療専門ドクター監修】

2024/10/07 公開

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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、原因がはっきり解明されていない排卵障害のひとつ。不妊原因の15%を占めるというデータもありますが、じょうずにつきあいながら治療を進めれば妊娠は可能です。

この記事では、多嚢胞性卵巣症候群にまつわるソボクな疑問に、不妊治療専門医が答えます。

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Q.多嚢胞性卵巣症候群の場合、ズバリ、妊娠はむずかしいのでしょうか?

A.成熟卵が育ち、排卵できれば妊娠できます

多嚢胞性卵巣症候群では、卵巣に卵胞がたくさん残っています。
ですから、適切な治療によって、じょうずに成熟卵子を育てて排卵させることができれば、妊娠の確率は、けっして低くありません。治療で約8割の人が妊娠しています。

Q.最近、多嚢胞性卵巣症候群が増えているって本当ですか?

A.検査技術が一般的になって見つかりやすくなりました

確かに少しずつ増えている印象はありますが、増加についての明確なデータはありません。

おそらく、検査の技術が向上して、より判明しやすくなったこと、そして、女性たちが体の不調を改善したり、不妊治療をしたいという意識が高まってきていることが関係しているかもしれません。

Q.多嚢胞性卵巣症候群に突然なることもある?

A.ありません。生まれつきの体質的なものです

子宮筋腫や子宮内膜症は、成長してから発症しますが、多嚢胞性卵巣症候群は、生まれつき持っている体質です。
思春期に月経が始まり、排卵が起こるようになると、月経異常が見られるようになり、判明します。ですから、突然かかったり治ったりすることはなく、かかりやすい年齢もありません。

Q.多嚢胞性卵巣症候群は、生活改善などで防げるの?

A.防ぐことはできませんが、妊娠しやすい環境づくりはたいせつです

多嚢胞性卵巣症候群は体質的なものなので、残念ながら防ぐことはできません。
ただ、治療するだけでなく、妊娠後に備えて環境をととのえることは無駄ではありません。食生活の見直しや冷えの解消、ストレス発散など、赤ちゃんのために体づくりを心がけてくださいね。

Q.妊娠後に、多嚢胞性卵巣症候群の影響はある?

A.影響することもあるので慎重に経過をみます

多嚢胞性卵巣症候群の人の場合、無事に妊娠したあとも、流産や妊娠糖尿病、高血圧、子宮体がんなどのリスクがやや高いことがわかっています。

妊婦健診を受ける病院、分娩する病院には必ず、治療歴を正確に伝えておくことがたいせつです。

Q.多嚢胞性卵巣症候群は手術で治せる?

A.手術もできますが、おすすめではありません

腹腔鏡で行う手術があります。しかし、成熟しきらない原始卵胞は卵巣の表面近くに連なっているため、この方法だと卵胞が少なくなる=AMH(卵巣予備能)が低くなるので、おすすめできません。

Q.多嚢胞性卵巣症候群だと、卵子の質が悪いってホント?

A.そんなことはありませんので安心してください

「多嚢胞性卵巣症候群だと、卵子の質が悪いので妊娠しにくい」といわれることがありますが、そんなことはありません。一度にたくさんの卵胞が育ってくるぶん、うまく育てれば、よい成熟卵がとれる確率も高く、妊娠率も高いのです。じょうずに育てて、きちんと成熟卵をとればだいじょうぶなので、安心して。

Q.最初から不妊治療専門病院に通わないとダメ?

A.時間を無駄にしないためにも不妊治療専門のクリニックへ

一般の産婦人科でも、排卵誘発剤の処方などはできますが、それでうまくいかなくて不妊治療専門のクリニックに転院すると、また最初から検査などを行うため、時間がかかります。

多嚢胞性卵巣症候群ではAMHの値は高いのですが、残っている卵胞の数が多くても、卵子は年齢とともに老化していきます。少しでも質のよい卵子をとるためにも、時間を無駄にすることのないよう、最初から不妊治療専門医を受診するのがおすすめです。


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*妊活メディア『赤ちゃんが欲しい』の記事を再編集しています。

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監修
監修

医療法人浅田レディースクリニック理事長。
より短い治療期間で妊娠という結果を出すため、エビデンスに基づいた治療や痛くない不妊治療・痛くない採卵を行なう。1982年名古屋大学医学部卒業。88年名古屋大学医学部附属病院産婦人科医員として不妊外来を担当。95年同病院分院でICSIによる治療開始。同年日本ではじめて精巣精子を用いたICSIによる妊娠例を報告。2004年浅田レディースクリニック(現・勝川クリニック)開院、10年浅田レディース名古屋駅前クリニック開院、18年浅田レディース品川クリニック開院。著書に『名医が教える最短で授かる不妊治療』『女の子が知っておきたい卵子のハナシ。』がある。

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