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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 基礎知識コラム 森三中・大島美幸さん登壇「2人目、体外受精をしています。厳しい現実も…」/プレコンセプションケアを考える 3ページ目(3ページ中)

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男性にできることって?精液検査、タバコ…

中村さん:妊活をきっかけに禁煙してたんですけど、不妊治療では男性は精子を検査するじゃないですか。やっぱり、タバコを吸ってる時って、精子の動き悪いです。まっすぐ行かないんですよ。

先生にも指摘されました。タバコ吸ってますか?って。そこから一年間禁煙しました。そしたら、数値も良くなったんですよね。

荒田先生:そうですね、禁煙すれば戻りますので。

中村さん:禁煙したら精子(の状態)が戻ったという経験もありますし、あのころに戻れるならタバコに出会いたくなかったかなと。最初から出会ってなければ…。どうしても中毒性のあるものなので…ね。

大橋アナ:大島さん、中村さんのお話を聞いていて、学生のおふたりはどうですか?

坂本さん:おふたりのお子さんへの愛情を感じました。僕自身、結婚願望とか、子ども欲しいなとかあまり考えたことないんですけど、この機会に考えてみてもいいのかな、と思いました。

大橋アナ:後藤さんは助産師を目指していますが、どんなきっかけだったんですか?

後藤さん:私は中学2年生の時の職場体験で、出産の立ち会いをさせていただいたんです。その時に、生命の誕生に関わることができて、誰かを支えられる職業ってすごくいいなって思って、助産師を目指すようになりました。

助産師という職業を調べてみると、助産師が対象にしているのは産婦さんだけじゃなくて、妊婦さんだったり、思春期の女性だったり、いろんな世代の女性、そして、男性もケアの対象であるということを知りました。たくさんの方の人生に関わって支えることができるのがすごく魅力的な職業だと感じています。

荒田先生:助産師さんの存在って本当に大きいです。このプレコンセプションケアという考え方を支えるのは助産師さんかなと思ってるぐらいです。

大橋アナ:すごいですね。そんな後藤さんは先ほどの大島さん、中村さんのお話しを聞いてどう思われましたか?

後藤さん:自分の身体に向き合える時間をとれなかったという大島さんと中村さんのお話を伺って、私も実際は不安でいっぱいですし、だからこそちょっとでも自分と向き合える時間が作れるといいのかな、と思いました。

中村さん:でも、本当に忙しいですよね。とくに妊活・妊娠において女性は忙しいと思います。女性が本当に活躍する世の中で、共働きのカップルもすごい多いと思うんです。

実際に、妊活・不妊治療を経験してみて男性ができることは少ないんですよね。うちの場合、一緒に病院に行ってくれるっていうだけでうれしいと妻は言ってくれてました。でも、多分もっと色々やってほしかったっていうのはあるとは思うんです。

男性は病院で待つことしかできないんですよ。痛いのは女性なんですよね。注射打ったり薬飲んだり…。毎回血液検査して、タイミングいつっていうのを言われて、それを聞いていろいろ考えなきゃいけない。

大島さん:ほんと、そう!ちょっと私、怒ってますもん(笑)。旦那にも言ってます。あなたも1回ずつ妊娠できればいいのに、って。男性も妊娠できれば、どんなことがつらくて、とかわかってもらえるのに。

でも、やっぱり男性は男性の体が、女性は女性も体の仕組みがあるっていうのは、妊活でよくわかりました。

大橋アナ:大島さんはパートナーとのすれ違いといいますか、思うところがあるとのことですが。

大島さん:もうこれずっと言っちゃってるんですけど。妊活を始めるときに、私は夜型だった生活を朝型に切り替えて、朝ご飯を食べるようにしたんです。やります!って宣言して。体重も10㎏落とすことも宣言して。旦那がなんて言ってくれるのかな~と思っていたら、「オレは変えないよ」って。もう、腹立って腹立って。

中村さん:男って、そういうとこありますよね。

大島さん:それで、聞いてくださいよ。嫌々ですが、病院には行ってもらったんです。妊活するにあたって、病院は行ってほしいって頼んで。体をちょっと見てほしいって。

中村さん:男性って行きづらいんですよね。産婦人科行っても周り女性だけだから恥ずかしいんですよ。

大島さん:しかも、それが十何年前だからさらにですよね。かなり難しかったんですけど、精液検査をしたんです。検査してみたら、運動率、量、奇形率、もう三拍子そろって悪いという結果で。そしたらテンション下がっちゃって。

中村さん:結果を突きつけられて?

大島さん:そう。えっ?ってなんか私のせいだと思っていたみたいで。不妊って女性のほうに原因があるんじゃないかって思ってたみたいで。で、結果、俺?みたいな。

そこから、旦那が妊活に真剣に向き合ってくれるようになったんですよね。だから連れてってよかったと思ってます。

中村さん:やるべきですね。男性は精液検査をやるべきです。本当に気持ちが変わります。自分のことも知ることができます。まさにプレコンセプションケアと一緒。この考え方と一緒で、自分を本当に知るなら、精液検査が一番いいと思います。

大橋アナ:先生、なかなか男性は病院に足が向きにくいとか、やっぱり自分は関係ないって思ってる方もまだ多いかもしれないですね。

荒田先生:そうですね。今、いい言葉を伺って。「自分を知るには精子を知る」そうかもしれませんね。

中村さん:そう精子見たほうがいい。まじで男性の人は本当そうっすよ。

大島さん:自分のジュニアみたいなもんですもんね。

中村さん:自分のね、そうですよ。オレのこんなに弱々しいしいのかって。見て、思うと、やっぱ直さなきゃって思います。

荒田先生:実際に不妊の原因っていうのは、女性も男性も同じぐらいあります。重なっている原因もありますけど、男性因子も半分ぐらいです。

大橋アナ:まず病院に足を運ぶとか、なかなか気持ちが向かないっていう話もありました。学生のおふたりは、将来、結婚を考えたり、夫婦やカップルで病院にいくということ、どう考えられますか?

後藤さん:病院には行ったほうがいいというのは、勉強している身としてもわかっています。ですが、これをどのようにパートナーに話すか、などは難しいんだろうな、と思います。
男性は産婦人科に行かなくても、泌尿器科とかに行けると思うので、それだったら少しは行きやすいのかなっていうふうに思ったりもしました。

大島さん:それこそ、会社の健診とかに精液検査も項目として入ってきたらいいかもしれないですね。

坂本さん:女性がたくさんいる婦人科に僕自身が行くってなったら、恥ずかしいと感じてしまうかと思います。

中村さん:婦人科も最初は勇気がいると思うのですが、行ってみるとびっくりしますよ?本当に皆さん他の人のこと見てないです。皆さん、待ち時間が長いなーとか考えていて、男性が来院しているのなんて気にしていない。自分が思っているより、周りの人は見てないよっていう。

僕もね、大島さん、福島ではちょーっとだけ、あの有名というか、顔が知られているんですよ。知名度が少しあるんですよね。

だから婦人科行ったらね、ばれちゃうなとか考えて、帽子とか変装みたいなこともしたんですが、まったくでした。そんな心配いらなかった。まぁプライドは傷つきましたけど(笑)。

本当に誰も気にしてないというか、女性はもっともっといろんなことを気にして、待合室に座ってらっしゃると思うんです。

大島さん:でも、増えましたよね。男性だけで来ている方も増えました。一歩踏み出しちゃえばね。

大橋アナ:ちょっと恥ずかしいなと思う気持ちだとか、パートナーには言いづらいなっていう気持ち、そういう気持ちを払拭するきっかけにもなるのがプレコンセプションケアなのかなと思います。

荒田先生:そうですね。自治体とか、そういうところで気軽なプレコン健診だったりカップル健診みたいなのもやってもらえたらいいかもしれないですね。

大橋アナ:男性は女性の大変さがわかったり、女性は男性の大変さを理解したり。

荒田先生:そうですよね、男性には男性のプライドっていうのもあると思うし。

大橋アナ:やはりブライドを傷つけないようにって、女性は思ってると思うんですよね。中村さん、どういうふうに言われたら、病院に足を運びやすかったりとか、傷つきにくいですか?

中村さん:うわ~なんだろ。これ一回男性だけで集まって会議しません(笑)?

僕の意見だけで言わせてもらいますね。「頼りにしてる」とか、シンプルですが「ありがとう」っていう言葉をかけられたりとか、感謝されると頑張れるかもしれないですね。

大島さん:私も妊活中にやっぱり対立しちゃったの。いや、なんで行ってくれないの?とか。そこで考え方を変えたんです。

私が社員で、社長が旦那。社長にお伺い立てるっていうやり方したらめちゃくちゃうまくいったんです。社長、すいませんって。あの今日の結果、こんなでした。次の検査は〇日になっていますのでよろしくお願いします。みたいな感じで。業務的にしたことで、とてもやりやすかったです。

もちろん、人によるとは思うのですが、うちの場合、私の場合はうまくいきました。やっぱり、感情が入ってしまうと難しいところもあったので。
報連相、報告、連絡、相談です。参考になりそうでしたら、ご参考に。

大橋アナ:さて、このプレコンセプションケアで注目したいのが、男女ともに考えるということだと思うんですね。妊娠前のケアについて、男性と女性それぞれこういう考え方やケアをしといたほうがいいよっていうことがあれば、教えてください。

荒田先生:男女というよりは、お互いの必要なことをちゃんと理解するっていうことが大切なのかなと思います。思いやるとか、お互いのことをよく知るとか、会話になるとか、そういうところが大切で、男性がこれ、女性がこれっていうわけではないかなというふうに思います。とり組む内容やケアの内容は、男女で少しずつ変わってくると思います。

ライフプランをどう考える?

大橋アナ:ライフプランを考えた時に、後藤さんは、助産師としてどんなふうに働きたいなっていうのはありますか?

後藤さん:助産師はやっぱり夜勤があるので、自分の中でキャリアアップとライフプランをどう成立させていくかって、すごく悩んでいるというか、どうしようかなって思っています。少し不安で。周りの子とも話したりします。

大橋アナ:今日は会場で多くの医療関係の方も参加していると思うのですが、そういう助産師さんのライフプランの考え方って何かアドバイスはありますか?

荒田先生:そうですね。助産師さんの中にもいろんな仕事があって、夜勤のある職場だけではないので、年齢を重ねたときのこととかも見据えてプランを考えてみるといいかもしれないですね。

大橋アナ:先生にお聞きします。とくに若い世代は全力になりたいことがたくさんある中で、プレコンセプションケアをどんなふうに自分ごとにしていったらいいでしょうか?

荒田先生:あんまり深く考えない。深く考えなくても自然と生活に入ってくるような、教育の部分からしっかり社会がとり組んでいければいいですよね。自然にプレコンセプションケアの考えが入ってくれば、いろんなライフプランが考えられるようになるはずです。そこが目指すところかなと思っています。

今の若い方々は、あまりそういう知識が豊富ではないので、いろんなライフステージで積極的に学ぶ機会があるといいですよね。そういう機会や環境を積極的に作っていかなくては、とも思っています。ぜひ、大島さんや中村さんのような方にもムーブメントというか起こしていただきたいなと思っています。

大橋アナ:最後に、みなさんから一言ずつ今日の感想を伺えればと思います。

坂本さん:今回のことをきっかけにプレコンセプションケアという言葉を知って、その存在を知って、その意味をどんどん知っていったんですけど、当事者意識を持つことが重要だと思いました。
男性にしても、女性にしても、いずれにせよ自分の健康については必ず考えないといけないとも感じました。

後藤さん:私はまだまだこれから勉強していく立場です。その中で、色々な方と関わって、勉強していく必要があるなってとっても感じました。
あとは、妊娠を考えるっていうことだけじゃなく、自分の身体を見つめ直すことの大切さ。さまざまな立場の方が自分の身体に向き合う機会をもてるように、助産師となってから、関われるようになりたいなと感じました。

中村さん:精液検査しましょう。本当に男性の方、精子は1回検査していていただきたいなと思います。今日は、本当に勉強になりました。あと、早いんですが子どもができて、孫が見たいっていう気持ちも芽生えています。絶対にかわいいので。だからその分、長生きしなくちゃですよね。自分見つめ直して、健康にも気を遣おうかなって改めて思いました。

大島さん:やっぱり今44歳になって、本当に20代30代では考えられなかったこと。本当に今一番大切なものは健康です。
自分自身で食べ物を気をつけないといけない、運動を意識しないといけない。そこに気をつけないと、健康にはたどり着けないんだって、私は今やっと本腰を入れてます。

プレコンセプションケアっていうのはやっぱり健康。自分が健康でないと、何も始まらない、仕事もできない。それこそ妊娠も出産も。なので、ぜひ健康というものを身近に感じて、ぜひ皆さんで健康になって長生きしましょう。元気でもうピンコロでいきましょう!ギリギリまで元気でいきましょうね。

荒田先生:若い頃から健康、とくに性に関するものが日本は絶対に足りていません。そこをアップデートしていって、がんばって無理に勉強しなくても、みんなのアベレージが上がっていけば、社会がちょっと変わるかなと思っています。そして、いろんな選択ができることで、人生がちょっと楽しくなるといいですよね。


パネルディスカッション後に学生2人に感想を聞いてみました

後藤さん

まずは、緊張しました!
今回、荒田先生の講演を拝聴してとても参考になりました。どのような背景でプレコンセプションケアを広めていったのかなど、考え方をお聞きすることができてよかったです。

また、不妊治療を経験された大島さんと中村さんのお話は、助産師を目指している者としてすごく勉強になりました。不妊治療について学んでいたのですが、実際にカップルの中では葛藤やけんかがあるということをよりリアルに知ることができました。妊娠後の話をお聞きして、喜びを感じているのも伝わってきました。大島さんの流産のお話を伺い、自分はこれから助産師としてどう関わっていくべきなのか、寄り添うことができるのかなってすごく考えさせられました。

そして、将来を考えたときには、色々な選択があると思います。選択肢を広げるためにも、プレコンセプションケアについて知ることは大切だと感じています。助産師として、その方の意思決定を支援できるように、今後もプレコンセプションケアについて学んでいきたいです。

坂本さん

やっぱり強く感じたのは、プレコンセプションケアにおいては当事者意識が大切っていうことでしょうか。パネルディスカッションでも話したのですが、男性が産婦人科に行くっていう話、想像をしてみたら相当恥ずかしいなって思ったんです。でも、当事者意識を持つことが何かプラスになると思います。きっかけがないと、という点でも自分が当事者であるっていうことを意識できればいいのかなと思います。

僕は将来、大学の教授になれたらいいなとも考えていて、そのためにももっと勉強したいし、様々な活動もしていきたいです。なので、健康はこれまで以上に考えていきたいです。
毎日の食事も適当になってしまったり、研究や課題をやるために、まずは睡眠時間も削ってしまっているので…。あと、僕は貧血もすごいのでケアのためにもしっかり食べないと、と思っています。健康意識、高めていきたいです。


今回は福島県の『みんなで考えよう「プレコン」のこと ふくしまプレコンセプションケア・フォーラム』からトークディスカッションをどこよりも詳しくレポートしました。「みんなのプレコンセプションケア」プロジェクトではプレコンに関する情報を取材、発信中です。公式SNSなどもチェックしてみてくださいね。

「プレコンしない?」と気軽に話せる、ウェルビーイングが当たり前な健康社会をめざし、主婦の友社が始動したプロジェクトです。
いつか家族をもつのかな?自分らしい働き方は?子どもを育てる?
プレコンセプションケアは、きょうの自分から、次なる世代へとつなぐ「命のバトン」。みんなが自分を大切にすることで、すべての人たちの幸せが続きますように。

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