【これがリアル!男性不妊の本音】当事者の座談会「正直、オレが手術までしなきゃダメなのか?」と戸惑った
男性不妊と診断されたみなさんにお集まりいただき、男性同士だから言える、あのとき、あの気持ちを本音でトーク!女性にはなかなかわからない心の内を語っていただきました。治療が終わり、無事にパパになったメンバーならではの、読者へのアドバイスも。
また、不妊治療に関するカウンセリングの第一人者・平山史朗先生からは、陥りがちな妊活リスクと、メンタルケアのポイントについて教えていただきました。
男性不妊・座談会の参加メンバー
I也さん・32歳

営業職。妻は33歳。妊活のため、専業主婦に。
高度乏精子無力症と診断され、タイミング法から顕微授精にステップアップし、6回目の顕微授精で第1子が誕生。
S史さん・39歳

マスコミ勤務。妻は32歳。専業主婦。
男性不妊(乏精子症)、妻は多嚢胞性卵巣症候群。妊活約3年をへて、顕微授精で第1子が誕生。
K介さん・33歳

歯科医師。妻は35歳。現在は休職中。
タイミング法ののち、男性不妊(乏精子症・精子無力症)が判明。妊活して4年目に体外受精で第1子が誕生。
精索静脈瘤の手術を体験した先輩男性から、詳細をリアルレポート
編集部:いきなりですが、K介さんとS史さんは、妊活中に精巣からの静脈の血流が滞り、コブのように膨らみ精子をつくる働きが衰える「精索静脈瘤」の手術をされていますね。手術に対する抵抗はありましたか?
K介さん:僕はまったくなかったかな。
不妊の原因がわかって、それを解決するためには、こういう治療をしないといけないというのが明確だったので。自分の体にメスを入れることへの抵抗とか、恥ずかしいという気持ちもナシでした。
編集部:ロジカルかつ前向き!
S史さん:僕は人生ではじめての手術だったので、体にメスを入れるとなると正直、ここまでするべきなの?という気持ちはありました。迷いというほどではないけれど、一旦立ち止まって考えるというか。
編集部:それでも結局、手術に踏み切ったのは?
S史さん:手術することを決断したのは、妊活以前に、睾丸の老化が進むから早めに手術したほうがいい、と主治医に言われたから。
編集部:その手術は、全身麻酔なんですか?それとも局所麻酔?
K介さん:局所麻酔ですので意識はあります。日帰り手術です。
編集部:デリケートゾーンへの局所麻酔は痛いですよね。
K介さん:痛くないといったらウソになりますが、術後は鎮痛剤で痛みを抑えることができました。
S史さん:うちは妊活に伴って妻が専業主婦になったので、手術後は生活面のサポートをしてくれました。
関連記事:自覚症状はある?男性の不妊原因の多くに見つかる「精索静脈瘤」
精索静脈瘤の手術後について。症状は改善された?
編集部:それで、術後は症状が改善されたのでしょうか?
K介さん:僕は主治医から、「手術しても必ずしも検査結果がよくなるとは限らない」と言われていました。
実際、目に見えてよくならなかったので、そこがいちばんつらかった。
S史さん:僕も同じ。仕事柄、徹夜も多く、忙しい時期は精液検査の数字が悪くて、少し余裕があるときは、数字が改善されるという不安定さ。
とはいえ、仕事に関しては融通がきかないし。結局、生活状態に左右されて、いい数値をコンスタントに保つまではいきませんでした。
K介さん:いつまでこの状態が続くんだろう、という心境でしたね。
ただ、僕の場合は、手術をしないと改善が見込めないということだったので。手術をやらないで後悔するより、やって後悔したほうがいい。そう思って、決断しました。
結果的にはそれで第1子に恵まれたわけですし。
編集部:大変な思いをされましたが、報われましたね。
【カウンセラー・平山史朗先生からのアドバイス】
精索静脈瘤の手術は、男性不妊を直接的に改善しうる方法なので、“自分で頑張れること”として、前向きに受けようと思う男性もいらっしゃいます。
女性も「自分だけでなく彼もつらい思いをしている」ということで、2人がフェアな立場になったようで女性の不平等感が減少することも多いようです。
vol.2へ続く⇒「男性不妊」が判明、そのときメンズは何を思う?
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生殖心理カウンセラー(公認心理師・臨床心理士)。
東京リプロダクティブカウンセリングセンター代表。
広島市出身。広島大学教育学部心理学科卒業後、1997年より広島HARTクリニックで心理専門職による不妊カウンセリングを開始。98年米国にて生殖心理学の研修を修了。2002年より東京HARTクリニック生殖心理カウンセラー。21年生殖と不妊の心理支援に特化した心理相談室を開設。日本生殖心理学会副理事長。
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