悩みが尽きない妊活・不妊治療の新常識!? 妊娠を目指す「卵活」を学ぶスペシャルイベントをレポートします
「女性の健康」のお悩みに寄り添い続ける「ロート製薬」と妊活メディア「赤ちゃんが欲しい(あかほし)」がコラボ!妊娠をのぞむ女性に向けた妊活スペシャルイベントを開催しました。
今回は、座談会とドクターのミニ講義の2部構成。
~妊娠をのぞむ女性に贈るスペシャルイベント”妊娠に大切な「卵活」とは” Supported by ロート製薬~ の様子をレポートします。
まずは、お集まりくださった12名の妊活女性と『赤ちゃんが欲しい』編集部の座談会からスタートです。
仕事、お金、時間…
妊活・不妊治療についての悩みは尽きない!
妊活・不妊治療についての悩みは尽きない!
参加メンバーは、妊活・不妊治療に取り組む女性12名。1人目妊活、2人目妊活、流産を経験した方など、首都圏を中心に、関西、東海エリアからもお越しいただきました。
赤裸々にお話しいただいた座談会では、思わず涙ぐむ姿も…。みなさんそれぞれの環境で、どんな悩みや不安を抱えているのでしょうか。座談会の様子を一部ご紹介していきます。
それぞれに悩んでいることや不安に感じていることを自由にお話しいただきました
「妊活について 夫以外に話せる人がいなくて、今日はとっても楽しみにしていました」
みなさんの自己紹介からスタートした座談会。
妊活の状況をお聞きしていくと、仕事と妊活・不妊治療の両立に苦労している、悩んでいるという方が多数。
「体外受精をしています。4年前に流産を経験して、それをきっかけに仕事を辞めました」
「人工授精に6回トライしましたが、妊娠せず。仕事が忙しくなってしまって、治療とのバランスがむずかしくて…。少し不妊治療をお休みしているところです」
「職場は男性が多くて、理解を得るのがなかなかむずかしくて…」
治療をきっかけに退職された方、パートタイムの仕事に変更した方、リモートワークができるように上司に直談判!の方もいらっしゃいました。
「不妊治療に専念したいけど、治療にはお金がかかる。だから仕事を辞めるわけにもいかない…」そんなNさんの言葉に、共感の声が飛び交う場面も。
職場で出血、流産しながら仕事…、辛い経験を話せてよかった
営業職のSさんは自身の稽留流産について、語ってくれました。
「稽留流産を経験したのですが、病院を受診予定の前日に自然排出になってしまって…。
その日は在宅勤務だったのですがとても忙しい日で、血が流れ出ている状態でも仕事を続けたんです。締切がある業務もあったし、電話もかかってきたりして。
そんな様子を見た夫が『何してるの!』って。『見てられないよ…』と。当然ですよね。
そこで夫と話し合って、仕事をしばらくお休みすることにしたんです」
同じく流産を経験したメンバーからは「そんな状態で仕事、大変だったね」「辛かったよね…」という反応が。
悲しい経験をされたばかりのYさんも「わたし最近、流産してしまって…」と打ち明けてくれました。つい先日まで手術入院されていたということもあり、涙をこらえながらお話しするYさんの様子に、ほかのみなさんも涙をこらえることができず。会場が共感につつまれました。
卵が採れない!治療が思うように進まない悩みも
2人目妊活をスタートしたNさんは、1人目妊活のときに悩んだ体外受精の「採卵」について話してくれました。
「1人目は体外受精で授かりました。卵が育ちにくいということをドクターに指摘されたこともありました。
高刺激の体外受精でも採卵数が多くなくて…。そこで低刺激の体外受精にきりかえてみたんです」
「低刺激周期で採れた卵が受精してくれて、なんとか授かることができました。卵が育ちづらいこともわかっている、第2子も体外受精に早く進めば…という思いもあるんですが、お金のことだったり、いろんな事情もあったりして、なかなか妊活を思いどおりに進められないんです…」
Nさんの「卵」についての悩み、治療についての苦悩に、みなさん深くうなずいていました。
1時間の座談会のあと、参加のみなさんに感想を聞いてみました。
「妊活のこと、誰かに話したいけど、誰にも話せずにいた。こうやって頑張っている、同じ思いの人がいるんだとうれしい」
「友達にも話せなかった妊活について。今日みなさんのお話を聞いて共感しかありませんでした」
「妊活のことをもっと話したいって初めて思いました!」
みなさん、抱えていた思いを少し発散できて、晴れやかな表情になっていたのが印象的でした。
そして第2部、ドクターのミニ講義へ。
妊娠を目指すために大切な『卵活』って?
第2部では女性の「卵」に着目し、大切な卵のためにできること「卵活」をテーマに、英ウィメンズクリニックの十倉陽子先生に講義をしていただきました。
英ウィメンズクリニック 女性医学部門長・十倉陽子先生
今回、オンラインで講義いただきました
妊娠の仕組み/基本をしっかりおさらい!
妊娠には、まずは「卵子」が必要。その卵子と精子が出会って、受精をします。自然妊娠の場合だと、この受精卵が卵管を通って細胞分割をしていきます。
その後、子宮に戻ってきて着床します。これが妊娠の仕組みです。
この仕組みのどこかにトラブルが起こると妊娠しない、いわゆる不妊といわれる状態になります。それを治療していくのが不妊治療です。
どんな妊活・不妊治療でも年齢の影響はあります
さまざまな原因が考えられますが、年齢による妊娠率への影響は大いにあると考えます。
それは、エコーで排卵日を推測して夫婦生活の指導をうけるタイミング法であっても、体外で卵子と精子を出会わせ子宮内に移植する体外受精であってもです。
女性の年齢が35歳以上と35歳未満で妊娠率を比較してみると、タイミング法での35歳以上の妊娠率は、35歳未満のおよそ3分の1といわれます。
体外受精の治療成績にも年齢は影響があることがわかっています。
上記のグラフを見るとわかるのですが、35歳くらいまでは出産できる率はあまり変わりませんが、35歳以上38歳くらいだと出産まで到達できる率が半分ほどに。42歳くらいになると、1回の治療で出産にいたる確率は約5%ほどといわれます。
やはり年齢が妊娠率、出産率に強く影響してくることがわかります。
妊娠に年齢がなぜ関係するの?そのカギは「卵子」!
では、なぜ年齢がそこまで妊娠に影響してくるのでしょうか。それは、年齢とともに卵子の「数」と「質」が低下するためだと考えられます。
加齢とともに卵子の数と質が低下するということは、逆に「卵子の質」が妊娠率を大きく左右するという考えかたもできるのです。ということは妊活の大部分は「卵活」、卵子をどのようにケアしてよくしていくのか、ということになります。
なので、クリニックに通う不妊治療とともに、自身でできる「卵活」に注目していただきたいです。
卵子の数の低下について
卵子は生まれたときにはもう体の中にあります。聞いたことがあるかもしれませんが、お母さんのお腹にいるころ(胎生期)には卵子は700万個ほどあります。その卵子が、生まれたころには200万個に減り、月経が始まる思春期のころには20~30万個にまで減少しています。
卵子は新しくつくられることはなく、体の中にある卵子(原始卵胞)が少しずつ目覚めていくといわれています。
20~30万個に減った卵子のなかで、生涯で排卵をする卵はたったの400~500個ほど。
毎月1つの卵子が排卵しますが、同時に休眠状態だった500~1000個の原始卵胞は自然に消滅していきます。
排卵するのは自分の年齢と同じ年齢の「卵子」
毎月1つの卵子が排卵しますが、先ほどもご説明したように体の中の卵子が増えることはありません。ですから、体の中の卵子は自分の年齢と同じ年齢を重ねていると考えてください。40歳だったら、40年体の中に蓄えられていた卵子ということです。その卵子が排卵ではじめて卵巣から外に出るわけです。排卵された卵子は、年齢とともに卵子が老化している、ということがわかりますよね。
卵子には年齢と別にもう一つ関門があります。それはストレス。
排卵(体外受精の場合は採卵)の直前に細胞が活発に活動することによって、多量の酸化ストレスが発生します。その酸化ストレスを受けた状態で卵子は排卵をすることになります。
卵子にとって、この酸化ストレスをどう乗り越えるかが重要になってきます。
卵子の質の低下について
排卵直前のタイミングにクリニックで診てもらうと、エコーで見える黒い丸が卵胞。その卵胞の中に卵子があり、その卵子をささえるすべての細胞にはミトコンドリアという小器官があります。このミトコンドリアが「卵子の質の低下」について、大事なカギをにぎっています。
卵子の質が低下するとは、どういうことなのか?
それは、卵子がうまく分割したり着床するためのエネルギーが減っている、採卵・排卵の直前の酸化ストレスへの対応能力が低下している、という状況にあることと考えます。
卵子をささえる細胞のエネルギー源は「ミトコンドリア」
卵子がうまく分割したり、妊娠に向け準備を進めるためには卵子をささえる細胞がきちんと機能する必要があります。
たとえば、卵子が排卵するのをサポートする卵丘細胞や卵子を守る役割をもっている顆粒膜細胞。卵子が妊娠にむけて成長するために、このサポート細胞も細胞分裂をして増えていきます。分割時には、多くのエネルギーが必要になってくるのです。
卵子の分割はもちろん、サポート細胞の分裂のエネルギー源がミトコンドリアという存在です。エネルギー源であるミトコンドリアが元気に活動できれば、おのずと元気な卵ができるのです。
このように卵のエネルギー源であるミトコンドリアですが、ミトコンドリアの活動自体も酸化ストレスを発生しています。ここでも、いかに酸化ストレスを軽減させるかが重要になってくるのです。
酸化ストレスにさらされる卵子だからこそ
体内にある間から意識したい「卵活」
体内にある間から意識したい「卵活」
酸化ストレスは日常にもあふれています。体の中に脂肪が多い慢性肥満症や喫煙、紫外線などからも酸化ストレスをうけます。このような酸化ストレスを減らすことが、卵子にとってよい環境につながります。
体外受精などで、採卵後、卵をお預かりしたあとはクリニック内で卵の質を落とさないよう、できる限り最大限の注意をはらった環境で育てていきます。ですが、体の中で休眠していた卵胞が目覚めて排卵するまでは、体の中にある状態でどう卵を育てるか、自身でのケアが大切になってきます。
つまり、体の中にあるうちから「卵活」をすることが大事。
クリニックの治療では、卵へのケアとして精神的なストレスを減らすためのカウンセリングや漢方、栄養相談も行っています。食事などでは補いきれない栄養素は、サプリメントを活用するのもOKと伝えています。
なかでも、葉酸は生まれてくる赤ちゃんのためにも必ずとってほしいとお話ししています。そのほか、ビタミン、ミネラルも必須です。最近は、抗酸化成分である「PQQ(ピロロキノリンキノン)」にも注目しています。
ドクターも注目!PQQとは?
新しい抗酸化物質として注目されているのが「PQQ」というビタミン様物質です。身近な食材だと、納豆や豆腐、ピーマン、キウイ、パセリなどに含まれています。
体内でつくることはできないのですが、少量だけど健康を維持するために大切なもので、その抗酸化作用が不妊治療においても期待されています。英ウィメンズクリニックでもお渡ししていますが、全国的にも扱っているクリニックも増えてきています。
おもな作用としては、抗酸化ストレス、抗炎作用、ミトコンドリアを活性化する効果もあるのではとされています。
加齢などによるストレスで卵子の力が低下し、それによって妊娠率が低下している場合に効果が期待されている物質です。
「PQQ」実際の不妊治療では?
実際の診療では抗酸化サプリメントとして、ベースの葉酸やマルチビタミンのサプリメントとあわせて使用しています。
対象となるのは、採卵数が少ない場合であったり、エネルギーが足りなくて採卵後にグレードのよい受精卵になっていないかもしれない場合など。クリニックでは、とくにストレスがかかるであろう排卵直前には、積極的に飲んでいただくことをおすすめしています。
また、卵が目覚める前から排卵に向かう2~3ヶ月も重要な時期です。この時期にも抗酸化作用が期待できるPQQをとりたいですね。ですから、クリニックでは採卵の数ヶ月前から飲んでいただくようにして、治療を進めています。
「卵活」はあらゆる妊活ステージの女性に大切です
冒頭でもお話ししましたが、どんな妊活・不妊治療ステージにおいても、いちばんはよい卵子が体の中でできあがること。ご自身の体に卵子があるうちに、いかに酸化ストレスに打ち勝って質が低下しないような状況で排卵をむかえられるかが大事になってきます。
そのためには、PQQをはじめ、卵子をケアする「卵活」を意識していきたいですよね。
講義のあとは、十倉先生に質疑応答も!妊活・不妊治療の気になるあれこれに答えていただきました
みんなの感想!イベントを終えて
イベントに参加いただいたみなさんが感想をSNSで投稿してくれました。
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