2ページ目(4ページ中) | 「天国に行けるといいなぁ」骨が残らないかもしれない…身長10cm小さな赤ちゃんの火葬。エコーで写った黒い影、産声のない出産、死亡届【わたしの死産体験談】
死産の例は社内で少なく、明確な社内ルールや制度はないけれど、私の妊娠14週のケースは、妊娠4ヶ月目にあたり、産後休暇取得の対象となる時期だと丁寧に教えてくれました。健康保険の「出産育児一時金・家族出産育児一時金」の受け取りも可能とのことです。
「赤ちゃんがいなくても、体と心は疲労しているから、遠慮なく休んで」という言葉とともに、Sさんの目から涙が一筋流れました。
Sさんも過去に流産の経験があるそうで、私の気持ちを思いやり、涙を流してくれたのです。私はそのとき、わざわざ口に出さないけれど、さまざまな経験や心の痛みを抱えながら仕事を続けている女性はたくさんいるのだと実感しました。その涙で心が軽くなったことを覚えています。
先輩社員のGさんという女性も終業後に私を慰めてくれました。「アオちゃん(私のあだ名)かわいそう」という言葉とともにギュ~ッと抱きしめてくれたんです。その瞬間に緊張の糸が緩んでワンワン泣きました。
寄り添ってくれた先輩社員の言葉や態度には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。余談ですが、私も人に寄り添えるような人間になりたいなと強く思い、そうあれるように心掛けています。
病院予約日までの過ごし方
予約日までは、それまでの妊娠生活と変わりない生活を続けました。お腹の赤ちゃんの心拍がなくてもつわりは継続していたため、無理のない範囲で仕事をして、ゆったりとしたペースで過ごすことを意識。ただ、ひとりになると気持ちが沈みがちでした。気晴らしに夫と仕事後にデートをした記憶があります。
初めての分娩室・死産の体験

赤ちゃんの分娩は2泊3日で行いました。1日目夜から子宮頚管を開く処置を開始。2日目に分娩、様子をみて大丈夫そうであれば3日目朝に退院です。「できる限り自然分娩に近い形で」と先生方に気を遣っていただきました。
分娩室は「命が生まれる場所」だけではなかった
処置はうろ覚えですが、分娩前日から水分を吸収してゆっくりと子宮頚管を広げるラミナリアを挿入して、分娩当日は陣痛促進剤を使用する流れだったと思います。
そして産声のない分娩へ…
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