3ページ目（3ページ中） | 子どもがいることだけが「勝ち」「幸せ」ではない。離婚、再婚…私は周りと感覚が違うらしい【子どものいない女性の生き方】

子どもがいることだけが「勝ち」「幸せ」ではない

「あなたは冷静にいろいろ考えているから、いらないんだと思うよ。みんな、きっとそこまで考えていないよ」と言われたこともあります。たった一度の自分の人生なのに、なぜ「そこまで考えない」のか。私にはそれが不思議でした。女性は、結婚・出産・子育てという刷り込みからもっと自由になっていいのではないでしょうか。今の時代、子どもがいることだけが「勝ち」「幸せ」ではないと思います。

勤務先でも女性たちから「早く子どもを産みなさいよ」と何度も言われました。いらないと伝えても、「それ、すっぱいぶどうでしょ」とイソップ寓話に例えられる始末。おいしそうなぶどうがあっても、高いところにあって手が届かないから、「あのぶどうはすっぱくてまずいに決まっている」と言うキツネの話です。要は子どもができないだけなのに強がっているんでしょ、と。なぜ私が無意味に強がらないといけないのでしょうか。話が通じなくて腹立たしかったですね。

大変なことはなるべく回避し、「親」ではなく個としての人生を堪能したいというのが私の本音です。

私は動物が大好きで、今も13歳になるチワワと暮らしています。ただ、犬を子どもがわりにしていると言う人がまだいるんですよね。かわりではなく、私はただ「動物が好き」なだけです。子どものいる人とは幸せの種類が違うだけなのです。立場は違っても同じ女性なのですから、お互いに尊重し合えたら素敵ですよね。

一生一度の“42歳”

夫の海外赴任でカザフスタンにも行きました。彼は人生のよき相棒です。仕事が忙しいので、子どもがいないほうが仕事に集中できるでしょうし、そもそも男性は子どものようなところがあるから、私には夫がいればもう十分です（笑）。

趣味や買い物、旅行といった小さな楽しみだっていくらでもあります。そんなことは子育てが終わってからでもできるという考えもあるけれど、私の42歳は一生に一度だけ。子育てが終わったあとではできないこともあると思います。その頃に健康でいられる保証はないですから。

夫は来年から別の国に単身赴任予定。彼は「子どもがいなくてよかったとも思わないし、いないからダメージだとも思わない」と話しています。私は最近、働き始めて面白くなってきたところ。数年間の一人暮らしも楽しめそうです。

S・Mさんの歩み

揺るぎない考えや価値観を持っているSさん。子どものいない人生を選択したことを自身でもしっかり納得され、同じ思いを持っている女性にも堂々としてほしいと伝えています。

【主な出来事】
24歳のとき１つ年上の男性と結婚し、29歳で離婚。
31歳のときに現在の夫と再婚。子どもを持つことを頻繁にすすめられ、子どものいる家庭も訪問したが、欲しいと思えなかった。その後、義理の両親から強い圧力を受ける。
37歳で海外赴任をし、帰国。現在は新たな仕事を始め、夫婦と愛犬との生活を満喫。

＜S・Mさん歩み年表＞

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