3ページ目(4ページ中) | 約10年間、生理不順を放置しつづけた結果、3つの婦人科で告げられたのは「多嚢胞性卵巣症候群」どんな症状?妊娠できるの?【34歳体験談】
人工授精2回目からは仕事を一旦離れ、妊活に専念していましたが、状況は変わりませんでした。そこで、夫婦で相談し、顕微授精へのステップアップを決意。しかし、顕微授精を行っていくなかでも、多嚢胞性卵巣症候群による困りごとは続いたのです。
高刺激の排卵誘発がしたい!けれど、卵子が育ちすぎてしまう
顕微授精を行うためには、卵巣から卵子を採取する「採卵」が必要でした。医師によると、採卵のための排卵誘発には2つの方法があるとのこと。高刺激と呼ばれる方法であれば、複数の卵子を1度に採ることができ、受精卵は凍結保存もできる。
一方、低刺激であれば採卵数は1~2個だけれど、排卵誘発剤などの投与量が少ないといいます。
「低刺激で1つしか採卵できなかったら、受精卵にならない場合はまたイチからやり直しだよね…」。この話を聞いたとき、私のなかでそんな思いがめぐりました。「それならば高刺激でたくさん採卵したほうがよいだろう」。
しかし、そう思い始めたときに医師は「多嚢胞性卵巣症候群の場合には、体質的に高刺激は向かない」と告げたのです。
多嚢胞性卵巣症候群は卵巣に未成長の卵子が多い分、投薬量を見誤ると卵巣いっぱいにまで卵子が成長してしまうのだそう。多嚢胞性卵巣症候群は、採卵方法にも影響するのだということに、驚いた瞬間でした。
医師の尽力でかなった高刺激!でも、イライラが止まらない
医師からははっきりと「体質的に向かない」といわれたものの、私は高刺激を諦めきれません。
「受精卵にならなかったらまたイチからなんて、金額的にも肉体的にも負担が大きすぎる…」そう感じた私は、向いていなくてもやってみたいと伝えました。
すると、医師は私のそんな思いをくんで高刺激を行うことを承諾。排卵誘発剤の投薬量を加減することで、卵子が育ちすぎてしまわないよう様子を見てくれるといってくれました。
こうして排卵期前になると毎日のように病院に通い、医師が見極めた量の排卵誘発剤の注射が行われました。
そして排卵間近になると、15個ほどの卵子がエコー画像に映るように。「これだけあれば受精卵もできるはず!」と安心していました。しかし、この辺りから今までにないくらい、私の情緒が不安定になりはじめたのです。
ちょっとしたことでイライラしたり、気分が簡単に落ち込んだり…。夫と口論になったときには、自分でも抑えられない怒りと悲しみの感情が大爆発しました。今思い返しても、何に怒っていたのか忘れているほど、ささいなことにです。
あとにも先にもここまでの変化があらわれたことはなかったため、少なからず排卵誘発剤の影響があったのだろうと思います。自分で願った採卵方法でしたが、肉体的なダメージは大きかったです。
7個の採卵に成功!しかし受精したのは2個だけだった…
そして迎えた、採卵日当日。当初は15個採取できるといわれていましたが、実際に採れたのはその半分ほどの7個。それでも、「複数個採れたのだから、受精卵になる数は多いはず」という、あわい期待がありました。
しかし、後日受精確認の連絡を入れたところ、受精卵になったのは2個と聞かされたのです。残りの5個は途中で分割が止まったとのこと。正直、「あれだけ肉体的にも大変だったのに2個って…」とショックでした。
さらに、本来であれば分割の最終段階である胚盤胞まで受精卵を成長させるはずでしたが、その力がなさそうだと判断。状態のよかった1つを初期胚で凍結保存し、分割が進んでいるもう1つは胚盤胞まで培養を進めてみるとのことでした。「培養結果は次の診察で」と伝えられました。
卵巣が腫れている!移植は1ヶ月後に…
さて、培養結果を聞ける診察の日。診察室に入るなり、医師からは受精確認のときには3分割まで成長していた受精卵も胚盤胞になる前に成長が止まってしまったと告げられます。こうなると、移植できるのは初期胚で凍結した受精卵ただ1つです。
さらに、医師からは「卵巣が腫れている」と指摘されたのです。採卵前からいわれてはいたのですが、卵子を1度にたくさん育てる分、卵巣が腫れてしまうことがあるとのこと。私の場合も例外ではなく、移植は次の生理が終わってから行うと告げられました。
卵巣が腫れている、と指摘されたときのエコーです。
約1ヶ月卵巣を休ませたあと、凍結していた初期胚を移植することに。しかし、その結果は願ったものにはならず、妊活をさらに続けることになりました。
私の体質に必要なことは何?妊活インターバルで学んだこと
1度顕微授精を行ってみたことで、高度不妊治療にはより専門的な治療を得意とするクリニックへの転院が必要かも、と思いはじめました。
そこで、夫とも話し合い病院を変えることに。しかし、取れた初診予約はなんと2ヶ月も先だったのです。そこで、その間に自分の体質と改めて向き合ってみようと思いはじめました。
卵子は「数」だけでなく「質」も大切?
2ヶ月の妊活インターバル期間に、まずはじめたのは鍼灸院に通うこと。
不妊治療が得意な鍼灸院を探し、排卵誘発剤などで疲れ切った心身をリフレッシュしようと考えたのです。週1回40分ほどの治療を続けたのですが、担当の鍼灸師からいつも「体が冷えていますね」といわれました。
治療では遠赤外線の機器を使って足元や背中を温めていくのですが、たしかに機器の熱に触れると自分の体の冷えを自覚するのです。このとき、そもそも子どもを育てる私の体がこれだけ冷えていたらいけないのかも…、と漠然と思いました。
もしかすると、冷えが関係して生理不順になっているのかもしれない。卵子が育ちにくいのかもしれない…。薬を使って卵子を増やしていくことも1つの方法ですが、卵子の育ちやすい体にしていくことも大切だと気づかされました。
遅いだけだった?私にもあった生理周期
生理周期を見直してみようと思ったのもこの時期から。
前々からさまざまなクリニックで渡されていた基礎体温表があったので記入してみることにしました。しかし、起きてすぐに体温を測り、そこから紙に記入するのはどうにも面倒に思えて仕方がなかったのです。
そこで、もっとラクに基礎体温の計測と記録ができるものはないかと探してみたところ、アプリと連動できる体温計を発見。すぐに購入して使ってみたところ、紙だと計測から記入まで1分ほどかかっていたのが、30秒ほどで終わることに気づいたのです。「これなら続けられる」とそれから2ヶ月間はほぼ毎日、基礎体温を測り続けました。
すると、少しづつですが私にも生理周期による体温の変化があることがわかったのです。見本のような高温期と低温期ではありませんでしたが、わずかながらも体温は変化していました。
また、紙の記録とは違い、アプリ上では私の生理周期を予測して教えてくれたのです。そうしたサポートもあり、40日~45日周期と少し遅いながらも、自分にも生理周期があることを知ることができました。
よい卵子を育てるため、体質ときちんと向き合う
鍼灸院に通ったり基礎体温を測ったりと、自分でもできることを行った結果、「これまでの妊活は医師任せだったな」と振り返る余裕もでてきました。もちろん、提案された治療法に対してこうしたいと伝えてはいたものの、知らず知らずのうちに先生がなんとかしてくれると思い込んでいたようです。
もちろん、治療には医師に頼らざるを得ないこともありますが、自分でできることはもっとあっただろうなと思ったのです。体質を少しでもよくしようと動いた2ヶ月間が、その後の治療にも大きな変化を与えてくれました。
自然排卵で採卵!4分割の受精卵を新鮮胚移植して妊娠へ
こうして2ヶ月の妊活インターバルを経て、高度不妊治療を得意とするクリニックへと無事、転院。
転院先でリスタートへ!
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