1 悪阻(つわり)
妊婦さん全体の50~80%が経験する、消化器系を中心とした症状
つわりは、妊娠によって起こる胃のムカムカ、嘔吐、食欲低下など、消化器系を中心とした症状で、空腹時に感じることが多いのが特徴です。このほかに頭痛や倦怠感、めまい、眠気、特定のにおいがきつくなるなども「つわり」に含まれます。
早いと妊娠5週ごろから始まり、12週過ぎ、遅くとも16週ごろまでにおさまっていくでしょう。症状の強さには個人差がありますが、妊婦さん全体の50~80%が経験します。なお、つわりの重さと、妊娠経過や分娩時間などに関係はないとされています。
食べたいものを、食べたいときに、食べられる量だけ食べる
つわりの時期には「食べたいものを、食べたいときに、食べられる量だけ食べる」が基本。消化のよいものや好きな食べ物を、1日5~6回に分けて少量ずつ食べるという方法もあります。栄養の偏りが気になるかもしれませんが、この時期は赤ちゃんの発育への影響は心配ありません。
症状が強く、食事がとれないときは、飲み物やスープなどの水分だけでもとるよう心がけて。毎日何回も吐く、水分もとれない、体重減少が著しい、ボーッとしたりフラフラしたりするなどの場合には、点滴や入院が必要になることもあるので、早めに受診してください。
2 下腹部痛や下腹部の違和感
痛みが強い場合や、ほかの症状があるときは受診を
妊娠がわかったばかりの早い時期から、人によっては下腹部の張りや違和感、痛みを感じることがあります。そんなときにはしばらく安静にして、様子をみましょう。しばらくして症状が治まれば心配いりません。ただ、痛みが強かったり持続したりする場合や、発熱などほかの症状もあるときには、流産や感染症、子宮外妊娠、卵巣茎捻転(卵巣がねじれた状態)などが原因である可能性もあるため、早めに受診しましょう。
3 出血
量が増える、ダラダラと続くような場合には受診を
妊娠初期に少量の出血があっても、妊娠経過や赤ちゃんの発育が順調であると確認できていれば、着床や赤ちゃんの成長にともなって起こる出血と考えられます。この場合は、様子をみていても問題ないことがほとんどです。
一方で、出血量が増えていったり、鮮血が見られたり、ダラダラと出血が続いたりするようなときには、受診しましょう。子宮外妊娠、進行流産、胞状奇胎など、重大な原因の可能性があるからです。
4 便秘
ホルモンの影響で便秘になりやすい
妊娠中は、つわりのため脱水傾向になったり、ホルモン(プロゲステロン)の影響で腸の動きが鈍くなったりするため、便秘になりやすいものです。便が出ない期間が長くなるほど、便から水分が失われて硬くなり、さらに出にくくなるという悪循環に。便意に気づいたらがまんせず、トイレに行く習慣をつけましょう。
ふだんの生活では、水分を多めにとる、食物繊維や乳酸菌の多い食事をとるようにする、ウオーキング程度の軽い運動を行うなどを心がけましょう。ひどい場合には、便をやわらかくして排出しやすくするような、妊娠中でも使える薬(非刺激性の便秘薬)を処方してもらうこともできます。定期健診時に、医師に相談してみてください。
取材・文/村田弥生
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