「体外受精」についてとことん調べた結果…
世界ではじめて体外受精が成功したのは1978年で、日本初の成功事例は1983年。
関連記事→体外受精とはどのような不妊治療?大まかな流れやよくある疑問【医師監修】
事前にできる限り懸念事項はなくしておきたかったので、納得するまで情報を集め、私なりに調べた限りでは、体外受精でのリスクは低いと自分の中で理解しました。
「これならばきっと大丈夫!」と安心できたところで、体外受精へのステップアップを決めました。
凍結胚移植の同意書です。
体外受精にステップアップすれば妊娠するはず!
当時は不妊治療の保険適用前だったので、一度の採卵で50万円ほどの金額がかかりました。でも、3回採卵したうちの最初の2回は残念ながら失敗。
1回目は卵胞の中に卵子が存在していない空胞の状態で採卵すらできず、2回目は、なんとか採卵できたものの受精卵まで育ちませんでした。
つらくて、悔しくて、クリニックで歯を食いしばって泣くのをこらえた日もありました。それでも夫からの「お金のことは気にせず何度でも挑戦しよう」という言葉に励まされ、なんとか前向きに治療に取り組みました。
確率を上げるために顕微授精にトライ
ドクターのアドバイスもあり、少しでも受精・着床の確率を上げるため、顕微授精へと方法を変えることに。くわえて、着床率を上げるとされているアシステッドハッチング(AH)もオプションで選択しました。
関連記事→『情熱大陸』で反響を呼んだ「アシステッドハッチング」って?全国から患者さんが続々!加藤レディスクリニック院長に聞く
その結果、体外受精を始めてから約1年後の2022年に、3回目に採卵した卵子が胚盤胞にまで育ってくれて、2つ凍結胚保存に成功!そのうちの1つを移植し、待望の第1子を妊娠することができました。
着床した凍結胚。
無事に着床したと知ったときは、もう、うれしくてうれしくて…!夫にもすぐに報告し、「おめでとう!これからがんばろう!!」と言ってもらえたときは本当にほっとしました。
妊娠13週目のエコーです。
クリニック選び。転院を経験してわかったこと
22歳から妊活を始め、24歳から不妊治療クリニックに通いだしました。この6年の間に一度、転院しています。
最初に受診したのは、家からも近くて治療実績が高いクリニック。高度生殖医療経験が豊富なクリニックのほうが安心できると思って選びました。
ですが、そこは人気クリニックだったぶん、通院するといつも待合室は超満員。待ち時間も長くて、診察も流れ作業のように感じてしまって、3ヵ月も経たずに転院することにしました。
転院先は、やはり家から通いやすくて治療実績もあるけれど、患者さんに寄り添う姿勢を大切にされているクリニック。私にはこちらのほうが居心地よく感じて、そのまま息子を授かるまでの6年近く、このクリニックにお世話になりました。
不妊治療クリニックは年々増えていますし、ドクターの雰囲気や治療方針、院内の雰囲気もさまざま。もし今不妊治療をされていて、通院されているクリニックが少し合わないなと感じる方がいたら、一度転院を検討するのもいいんじゃないかなと思います。
不妊治療期間、支えてくれたのは前向きな夫の存在
長い妊活・不妊治療期間、私の心の支えになってくれたのは夫でした。20代前半で授かりづらいことがわかり、なかなか成果の出ない現実に次第に心を傷めてしまっていた私を、いつもやさしく励ましてくれました。
家族写真。夫がそばにいてくれてよかった。
「このままずっと授かれずに、親の期待にも応えられないのかな」と弱気になっていた私に、「2人で不妊治療の区切りを決めよう。それまでに授からなければ、2人で生きていく人生でもいいんじゃない?」「期待に応えたい気持ちもわかるけど、自分たちの人生なのだから、自分たちの気持ちを大事にしよう」と言葉をかけてくれて…。
彼の気丈さ、前向きさに心を救われたので、夫には感謝の気持ちでいっぱいです。
息子は元気に成長しています!
今、息子は2歳3ヵ月です。凍結胚1つをクリニックで保存しているので年間数万円の料金はかかりますが、一人目の子育てが落ち着いたら2人目妊活を始めたいと思っています。
当事者になってわかった痛み。同じ経験をしている人の力になりたい
22歳で妊活を始めたときは、子どもを授かるまでにこんなに長い時間がかかるなんて思ってもみませんでした。当時は不妊治療について何も知らなかったけれど、当事者になってみなければわからなかった葛藤や悩み、治療、体の痛みも経験して、学ぶこともたくさんありました。
だからそのぶん、同じ経験をしている方の気持ちに寄り添えるようになれたと思います。もし私の周りで同じような経験をしている人がいたら、できる限り力になりたいです。
また、私は会社を経営しているので、これから職場で妊活に悩むメンバーが出てくれば、経営者としてなるべくサポートしていきたいと思っています。
妊活中の方へのメッセージは、「仕事や趣味など他のことにも目を向けてリフレッシュして、あなたの人生はあなたのものだから、何よりも自分の気持ちを大切にしてほしい」でしょうか。夫にかけてもらったこの言葉に、私自身とても救われたから。
インタビュー前編から読む>>【20代妊活】多嚢胞性卵巣症候群、二度の子宮外妊娠。いつの間にか20代後半になっていた…|女性経営者の妊活体験記〈前編〉
まとめ/神田なり
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