2ページ目(2ページ中) | セックス中の「痛い」が起こる原因は?病院に行ったほうがいいのか知りたい!性交痛があるけど妊娠したい…どうする?【専門医監修】
セックスはパートナーとの大事なコミュニケーションの一環。どちらかが我慢したり、遠慮したりしなくてすむよう、受診して痛みの原因を調べ、必要なら治療していきましょう。
性交時、膣の入口やその付近に痛みがある場合の治療
炎症や感染症がある
膣の入口あたりに炎症が起こっていて痛みがある場合には、受診して原因を特定し、炎症を抑える薬を処方してもらうと、治すことができます。
膣粘膜などが薄くなっている
膣粘膜が薄くなっている場合には、塗り薬やヒアルロン酸のジェルなどを使い、痛みを軽減します。また、膣やその周辺にレーザーを当てる治療もあります。これは炭酸ガスレーザーを膣やその周辺に当てる方法で、回復する過程で新しい細胞が生まれ、粘膜に厚みを取り戻すことができます。
処女膜強靭症
処女膜が厚く伸びないため挿入ができない場合は、処女膜切開術という手術を行うと、スムーズに挿入できるようになります。その後、「ダイレーター」という膣を拡張する器具を使い、挿入に慣れるトレーニングをしていきます。
メンタル面
セックスに対して恐怖心があったり、緊張してしまうような場合にも、ダイレーターを使ってトレーニングをしていきます。
性交時、おなかの奥の方に痛みを感じる場合の治療
子宮内膜症や卵巣腫瘍、子宮筋腫などが見つかった場合の治療法は、手術が必要になる場合もあります。クラミジア感染症の場合は、薬で治療を行います。
子宮内膜症、卵巣腫瘍、子宮筋腫
子宮内膜症の場合は癒着した部分をはがす手術を、卵巣腫瘍や子宮筋腫などの場合は腫瘍や筋腫を取りのぞく手術を行ないます。ただし、子宮内膜症で赤ちゃんを望む場合は、手術をしないで排卵誘発剤を使ったタイミング法や人工授精を行ったり、体外受精を行います。
クラミジア感染症
クラミジア感染症の原因である「クラミジア・トラコマティス」の治療には、抗菌薬を処方します。この時大切なのは、パートナーとの間で繰り返し感染する「ピンポン感染」を防ぐため、カップルで一緒に治療を受けることです。
お薬を服用した後、2~3週間ほどしたら再受診し、治ったかどうかを確認する検査を受けます。抗菌薬には複数の種類があり、服用した抗菌薬では効果がないこともあります。その場合は別の抗菌薬による治療が必要になるので、必ず治ったかどうか確認することが必要です。
気づかないまま放っておいて卵巣や卵管の周囲が癒着してしまった場合は、手術によって癒着をはがすこともあります。
性交痛があっても、妊娠できる?
治療して痛みが軽減される場合も多いですが、それ以外にも、セックスの前に膣やその周辺が十分潤っている状態にしてから挿入したり、ローションなどを使ったり、なるべく痛みを感じにくい体位にしたりすることで、痛みを軽くできることがあります。
ただし、年齢が高い場合には、妊娠のチャンスを少しでも多くすることが大切になるので、挿入を伴うセックスよりもシリンジ法を優先することも。例えば、排卵日と推測した1日は挿入し、その前後の日はシリンジを使ったり、排卵日にはセックスをしないでシリンジ法にし、セックスはそれ以外のしたい日にゆっくり時間をかけて行なったりなど、いろいろなパターンがあります。
性交痛がある場合、女性の痛がる顔を見ている男性側も、自分自身が拒絶されていると感じることが少なくありません。今の時代、7人に1人は体外受精で生まれる赤ちゃんです。セックス=挿入とこだわる必要はないので、自分とパートナーが快適でいられる方法を選びましょう。
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1991年名古屋市立大学医学部卒業。国立名古屋病院(現名古屋医療センター)、名古屋市立城北病院(現名古屋市立大学医学部附属西部医療センター)を経て、2002年咲江レディスクリニックを開院。日本産婦人科学会・日本性感染症学会・日本思春期学会会員、日本性科学会認定セックスセラピスト。セックス時の悩みの治療やパートナーとのコミュニケーションの取り方などをアドバイスしてくれる、日本では数少ないドクターです。
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