「卵子凍結」は妊活女性に魅力のテクノロジー。ひとつの選択肢として…【太田光代さん】
孫ができた友人はとてもうれしそうで、もう「光代はいいな」なんて言いません。
もちろん、私だって言いません。私に孫はいないけれど、仕事のうえで多くの若手たちを育ててきたし、働く女性の先陣として道を踏み固めてきたという、小さな誇りもあります。
でも彼女も私も、どちらかひとつを選びたかったわけではなかったのです。
「子どもか仕事か」ではなく「子どもも仕事も」、どちらも普通の形で手に入れたかった。それは私たち世代の本音です。
今だって、まだまだ「子どもも仕事も」の時代だとは思えません。仕事か子育てかの選択を迫られる人も多いでしょう。
社会が変われないからこそ、卵子凍結もひとつの選択肢なのです。そして私は前の世代の女性の一人として、選択肢がふえたことを喜ばしいと思うのです。
●太田光代さん
1964年生まれ。雑誌のモデルをへてタレントに。90年、爆笑問題太田光さんと結婚。97年から不妊治療を開始し、体外受精にトライするもいったんお休み。2010年ごろから治療を再開。2回の顕微授精をへて、3回目の移植の直前に東日本大震災が起こり、さまざまな事情から移植を断念。現在、凍結受精卵2つを保存している。93年、芸能プロダクション「タイタン」を設立し代表取締役をつとめる。
取材・文/神素子 構成/大隅優子(主婦の友社)
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