漢方で授かりやすく妊活入門「読む 漢方・中医学」
妊娠したい女性&カップルなら、ぜひ知っておきたい漢方・中医学による妊活アプローチ。
妊活を始めたばかりの人も、なかなか妊娠しないと不安な人も、「読むだけ」で妊娠しやすい身体づくりをめざすことができる!そんな妊活のきほんがつまった連載がスタート。
教えてくださるのは中医学講師の張立也先生。
さぁ、授かりに向けて学びのトビラを開きましょう!
そして、漢方や中医学に興味をもったら、まずはお近くの漢方薬局を探してみてください。
頼りになるエキスパートたちが、あなたの妊娠しやすい身体づくりをサポートしてくれます!
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妊活入門「読む」
漢方・中医学!連載を”ちょこっと”読み
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漢方・中医学では「体質別」にアプローチを考えます
中国の伝統医学である「中医学」は、中国古代哲学の影響を受けた生理学、病理学、薬学などの基礎理論と、数千年にわたる膨大な臨床経験に基づいたものです。あらゆる世代の女性の健康と美容に役立つそのセオリーは、赤ちゃんを授かりたいというときにも役に立つとされています。
中医学では20〜40代の女性にありがちな「体質」をいくつかのタイプに分け、体質別に心と身体をととのえるアドバイスを行います。まずは、中医学で体質を診るときに用いる基本的な考え方についてお伝えします。
西洋医学では人間の身体は、細胞、組織、器官、系統という構成で成り立っていると考えますが、中医学では、「気(き)」「血(けつ)」「津液(しんえき)」という3つの要素で構成されていると考えます。
生理の周期に合わせ漢方で身体をととのえていく「周期調節法」
第2回のテーマは中医学の「周期調節法」。中国で考案された不妊治療法で、日本でも周期調節法によって、多くの女性が妊娠しています。周期調節法とは、基礎体温やホルモンの変動を参考にしながら、生理周期のメカニズムと中医学の考え方を融合したもので、生理の周期に合わせて漢方で身体をととのえていく方法です。
周期調節法(中国では「周期療法」という)は、 「易経」や「陰陽学説」と中医学独特の臓腑気血理論に基づいて考案された不妊治療法で、50年間の歳月を経て現在も中国では婦人科の臨床に広く応用されています。
西洋医学には「体外受精」という画期的な技術があり、それによって妊娠率は向上しました。しかし、その高い技術をもってしても、残念ながら必ずしも全員が妊娠できるわけではありません。よい卵子と精子があっても着床できない、つまり母体の準備がととのっていないために、妊娠できないケースもあるのです。その弱点を補うことができるのが、「身体づくり」という観点からアプローチする中医学です。
基礎体温の変化は女性の排卵サイクルと関連が深い
基礎体温(Basal Body Temperature=BBT)は、ヒトも含んだ「恒温動物が生命維持に必要な最小限のエネルギーしか消費していない安静の状態で測定した体温」をいいます。
女性は排卵を機に、基礎体温が上昇するという性質をもっているため、もともとは西洋医学の概念で、主に避妊のために使われていました。いまは、妊娠を希望する人が、性交渉のタイミングをとる目安を知るためや、月経不順の原因の分析など、さまざまな目的で利用されています。
正常なホルモン分泌がある場合、基礎体温は、月経周期前半の卵胞期(低温期)と、後半の黄体期(高温期)の二相に分かれます。
月経とうまくつきあって、妊娠できる体質に!
中医学では、月経を「期」「量」「色」「質」の4つから判断
月経の乱れは身体のバランスがくずれている証拠で、何か原因があります。では、正常な月経と問題のある月経との違いは、どこにあるのでしょうか? 月経について、ほかの人と話す機会は少なく、実際にくらべてみることもあまりできないので、自分でも「これって大丈夫?」と不安になることがあるかもしれません。
中医学では、月経の性質を「期」「量」「色」「質」という4つのポイントから判断します。「期」は月経日数(出血のある期間)と月経周期(何日間隔で月経が来るか)のこと。「量」と「色」は文字どおりで、「質」は経血がサラサラしているか、ねばねばしているか、また塊の有無などです。
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中医学講師。中国・遼寧中医薬大学卒業。同大学に医師、大学講師として勤務。1996年に来日し、埼玉医科大学にて医学博士号取得。日本中医薬研究会講師。不妊カウンセラー。著書に『中医非薬物療法の基礎と臨床』など。やさしくも的確なアドバイスにファン多数。
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