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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 妊活ライフコラム 妊娠したいならまず「体質タイプ」を学ぼう【中医学リプロダクティブヘルス】集中特訓#01

妊娠したいならまず「体質タイプ」を学ぼう【中医学リプロダクティブヘルス】集中特訓#01

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妊活ライフ
2021/08/20 公開
2023/05/12 更新

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妊娠したい女性&カップルなら、ぜひ知っておくべき! 漢方・中医学による妊活アプローチについて、「学び」を深める連載がスタートします。

妊活を始めたばかりの人も、なかなか妊娠しないと不安な人も、「読むだけ」で妊娠しやすい身体づくりをめざすことができる!そんな妊活のきほんをまとめていきます。

教えてくださるのは中医学講師の張(ちょう) 立也(りつや)先生。『赤ちゃんが欲しい(あかほし)』編集部とともに、さぁ、授かりに向けて学びのトビラを開きましょう。

漢方・中医学では「体質別」にアプローチを考えます

中国の伝統医学である「中医学」は、中国古代哲学の影響を受けた生理学、病理学、薬学などの基礎理論と、数千年にわたる膨大な臨床経験に基づいたものです。あらゆる世代の女性の健康と美容に役立つそのセオリーは、赤ちゃんを授かりたいというときにも役に立つとされています。

中医学では20〜40代の女性にありがちな「体質」をいくつかのタイプに分け、体質別に心と身体をととのえるアドバイスを行います。

第1回は中医学で、体質を診るときに用いる基本的な考え方についてお伝えします。なんだかむずかしく感じてしまうかもしれませんが、できるだけシンプルに説明していきます。

中医学で考える身体を構成する3つの要素とは?

西洋医学では人間の身体は、細胞、組織、器官、系統という構成で成り立っていると考えますが、中医学では、「(き)」「(けつ)」「津液(しんえき)」という3つの要素で構成されていると考えます。「気」「血」「津液」に過不足がなく、滞りなく体内を巡っていることで健康な状態が保たれますが、これらが足りなかったり滞ったりしていると、不調を感じることになります。

」とは、エネルギーの源。見えないけれど、誰でも感じるものです

「気」はエネルギーの源、「血」は全身を巡り体に栄養と潤いを与えるもの、「津液」は血液以外の水分、汗、涙、リンパなどの体液のことですが、この3つの要素のなかで、いちばんわかりづらいのが「気」ではないでしょうか。

「気」は、目に見えないこともあり、その実態をつかみづらいですね。でも、考えてみてください。日本語には「気」を使った言葉が実にたくさん! 「元気」「気持ち」「気力」「気の持ちよう」「気持ちがいい」「気にする」「気になる」…。

実は、これらの「気」を使った言葉は、中国語にも他の外国語にもあまり見られません。日本人は、「気」の実態はわからないけれど、日常的によく使い、その概念は生活のあらゆる場面で使われている言葉なのです。

中医学では、「気」は身体の動きや機能をささえるエネルギーの源だと考えます。エネルギーは手で触れない、目に見えないものですが、ものを動かしたり、あたためたりすることができます。中医学での「気」も、体内の器官の働きを正常に保ち、新陳代謝を促し、血液や体液を生じ巡らせ、体温を一定にキープするといった役割を持っています。病に対しての抵抗力ともなります。

たとえば「気」の持ち方がよい場合と悪い場合では、身体の状態も違いますよね。「気」の概念は中医学ではとても重要で、見えないけれど、その働きを介して誰でも感じるものなのです。特に病気に対する抵抗力・免疫力そのものが、「気」の働きと理解すれば良いでしょう。

「気」が不足していたり、滞っていたりするときに起こること

このエネルギーの源である「気」が足りない状態を「気虚(ききょ)といい、滞った状態を「気滞(きたい)といいます。

気虚(ききょ)
だるさや疲れを感じやすくなり、身体をあたためることができず冷えを感じることも。花粉症などアレルギーになりやすい方や、かぜをひきやすい方、季節の変わり目に体調を崩しやすい方、寒暖差に弱い方が多いようです。

【おもな症状】
・疲れやすい、身体がだるい
・かぜをひきやすい
・息切れしやすい
・下痢しやすい
・食が細く、胃もたれしやすい
・声がか細く、大きな声が出ない
・アレルギーになりやすい
・生理中にだるさがひどくなる
・やる気が出ない

わたしは「気虚」…… 夏でも体じゅうが冷えていて。コロナ前から、マスクが手放せない生活でした。結婚2年目、そろそろ赤ちゃんを授かりたいです。(29歳・Rさん/愛知県)

気滞(きたい)
イライラや不安、精神的な落ち込みなどといった症状が現れやすくなります。胸やわき、おなかが張って苦しい、ゲップやガスが多いなども気滞の特徴的な症状です。女性の場合、排卵期や生理前は特に気が滞りやすい傾向にあります。

【おもな症状】
・よくため息をつく
・のどにものが詰まったような感じがする
・イライラして、怒りっぽい
・不安や憂鬱感がある
・ゲップやガスが多い
・便秘と下痢を繰り返す
・生理不順
・PMS(月経前症候群)がある

わたしは「気滞」…… もともと生理前は不安定ぎみだった私。最近、イライラするのはリモートワークが増えたせいだと思っていました。(36歳・Fさん/埼玉県)

血液以外のまわりの水分も含めて「」。妊活には重要な要素の一つ


「血」は、西洋医学の“BLOOD”とは違い、血液だけを指すものではありません。血液のことを指すと同時に、血液以外のまわりの水分なども含めて、脈管内に流れる赤い液体を「血」といいます。「血」は、体内を巡り、各器官や組織、たとえば髪の毛や爪に栄養や潤いを与え、体をあたためることができます。また、ホルモンを生成し、精神を安定させる役割も担っています。

中医学では「血」が不足している状態を「血虚(けっきょ)といいます。「血虚」の症状としては、爪がもろい、割れやすい、髪の毛がパサパサで抜け毛がひどい、皮膚がカサカサといったものがあります。

“血が不足している”というと、貧血をイメージするかもしれませんが、中医学でいう「血」の不足は、それだけではありません。貧血は血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが少なくなった状態ですが、ヘモグロビンが正常でも、爪が割れやすい人もいるのです。臓腑、器官、粘膜、髪の毛といったすべての部分に栄養をあたえるものが「血」ですが、足りないと、貧血やめまい、ふらつき、月経不順、月経量が少ない、無排卵、不眠、更年期障害などが起こります。

「血」が滞った状態のことを「瘀血(おけつ)といいます。現代医学ではこの瘀血が検査でもわかり、血液濃度が濃くなったり、血小板凝集能が高くなったり、血栓ができやすくなります。また、MRIやCTで検査できる臓器の腫瘍や、チョコレート嚢胞、子宮筋腫なども瘀血が原因と考えられます。

「血」が不足していたり、滞っていたりするときに起こること

血虚(けっきょ)
顔色が悪い、肌や髪の乾燥、眠りが浅い、不安感が強くなるなどの症状が現れます。女性は月経や妊娠、出産で血を消耗するため血虚になりやすい傾向があります。目の酷使や少食、偏食傾向の方も注意が必要です。

【おもな症状】
・抜け毛、薄毛、白髪が多い
・目が疲れやすい
・皮膚がカサカサしてツヤがない
・爪が白っぽく、薄くて割れやすい
・顔色が白く、ツヤが無い
・めまい、立ちくらみがする
・眠りが浅い、夢をよく見る
・物忘れが多い
・生理が遅れがち

わたしは「血虚」…… 目が疲れるのは、仕事で四六時中、PC画面を見ているから!? 立ちくらみもしょっちゅうで、こんな私でも妊娠できる?(31歳・Kさん/大阪府)

瘀血(おけつ)
老廃物が溜まりやすくなり、循環器トラブルにつながることがあります。頭痛、生理痛など痛みの症状の他、ポリープや腫瘤(しゅりゅう)の原因となることも。冷えやストレスが多い方、運動不足の方は瘀血になりやすい傾向があります。

【おもな症状】
・シミが多い、唇の色が暗い
・頭痛、肩こりがある
・動悸や不整脈がある
・下肢の静脈瘤がある
・皮膚の毛細血管が浮き出ている
・血圧、血糖値の異常
・生理痛がきつい、経血に塊が混じる
・目の下にクマがある

わたしは「瘀血」…… 生理のとき、いつもレバーのような塊が出てきます。経血もドス黒い感じ。ハードワークで肩こりがあり、20代で見つかった子宮筋腫も放置したままです。これじゃ、妊娠できませんよね(34歳・Aさん/東京都)

身体をうるおす役割のある「津液」。生命活動に必要な水分のこと


東洋医学では日本人にわかりやすくするために、「気・血・水(すい)」とされることが多いですが、正しい概念は「気・血・津液(しんえき)」。「津液」は血液以外の体液、リンパ液や唾液、汗、涙、尿など、生命活動に必要な水分すべてを指します。わかりやすくいうと、赤色ではない液体で、身体をうるおすもの。たとば腸液も津液の一つで、人間は排便するためには、腸液のうるおいが必要ということになります。

「津液」が不足している状態を「津液不足」といいます。乾燥の症状が主となり、この「津液不足」が進行すると「陰虚(いんきょ)」と呼ばれる状態となり、手足のほてりやのぼせなどの症状が発生します。

逆に津液が停滞している状態、何らかの理由で水分代謝が悪くなると「痰飲(たんいん)」と呼ばれる状態になります。たとえば、唾液はうるおす成分ですが、炎症があると痰になりますよね。正常ではない、異常な津液の変形が「痰飲」になるのですね。それを延長して考えますと、コレストロールや皮下脂肪なども「痰飲」あるいは「痰湿・痰濁」とも理解します。さらに「痰飲」と「瘀血」を合わせた複雑な病態も見られます。

「津液」が不足していたり、滞っていたりするときに起こること

津液不足
津液不足になってしまう原因は、汗のかきすぎや高熱、脱水、加齢、などです。水分をあまりとらないから、という単純なものではありません。

【おもな症状】
・皮膚の乾燥
・目が乾く
・口が渇く
・唇が乾く
・便秘
・尿量減少
・空咳がでる
・関節が動かしづらい
・関節の音がする
・手足のほてり
・のぼせ
・身体が熱い
・夜中の寝汗
・微熱が続く
・舌は赤く苔がない、切れ目(裂紋)がある

わたしは「津液不足」…… 身体がほてることがあり、えっ!? アラサーなのにまさかの更年期って疑うことも。漢方薬局でドライ肌を指摘されましたが、保湿不足というよりは「体質」と知りビックリ。(29歳・М理さん/石川県)

痰飲
津液が停滞し、正常に潤すことができなくなります。過剰になると身体が重くなり、むくみなどの症状も出てきます。これが「痰飲(たんいん)」と呼ばれる状態です。余分な体液があふれて、停滞した部位によりさまざまな症状が起こります。

【おもな症状】
・身体が重くて、だるい
・むくみ
・尿が少ない
・吐き気・悪心
・下痢・軟便
・関節痛みや痺れないし変形
・体重オーバー、肥満
・咳・痰絡み・息切れ

わたしは「痰湿…… 全身がむくんでいるわりに、水分をとってもとってもトイレはなぜか、遠いんです。気持ちも身体もだるいのが続いていて、仕事にも妊活にも前向きになれません。(36歳・Мさん/千葉県)

五行学説の考えに由来した人間の内臓を表す「五臓」

中医学で、人間の内臓を言いあらわす言葉に「五臓六腑」があります。五臓とは「肝(臓)」「心(臓)」「脾(臓)」「肺」「腎(臓)」のことを指しています。

では、中医学ではなぜ5つの「臓」なのでしょうか。これは中医学の考え方に由来しています。中医学には「五行(ごぎょう)学説」という哲学的な考えがあり、宇宙や自然界、ものごとを構成するすべてのものは「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(こん)・水(すい)」のいずれかの特性を持つと考えます。人間の身体も同様に、5つの特性をもって分類できるとされ、この法則に人体を当てはめて分類したものが五臓「肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺・腎(じん)」なのです。

これらは、肝臓や腎臓といった臓器そのものを指すだけでなく、さまざまな機能(物質代謝や精神活動)をも含み、五臓それぞれが互いに影響しあって生命を支えていると考えます。五臓がバランスよく働いている状態が健康だと考えるのです。

「腎」と、「気・血・津液」の関係とは?

不妊で悩む女性には、この「腎」に何らかの問題があることが多いです。その場合には、「補腎」として、「腎」の働きを充実させる漢方薬を用います。「補腎」によって、乱れていた月経周期やホルモンの状態がととのい、きれいな基礎体温グラフのラインを描くことも多くあります。

つまり、21~35歳という女性が妊娠しやすい年齢ではなくても、「腎」を充実させることによって、40代以降でも無理なく妊娠・出産することは十分に可能だということになります。「腎」の充実度は先天的な要因もありますが、補腎によって、卵巣の老化をある程度防ぐことも可能です。

また、妊娠するためには「腎」が充実しているのはもちろんですが、最初に説明した「気・血・津液」も過不足がなく、滞りなく体内を巡っていることが重要になります。「腎」のなかには、「精」という物質が蓄えられていて、妊活において重要な「血」は、この「精」から生じると考えられています。

「精」という概念はむずかしいかもしれませんが、「精がつく」「精を出す」といった言葉をイメージしてもらえるといいでしょう。腎の充実のためには、「気・血・津液」が十分な状態でなければならないのです。

赤ちゃんが欲しいなら、まずはいまの自分の体質を知ろう


最近のあなたに近い「体質」はありましたか?

どれかのタイプにぴったり当てはまる人もいれば、「気滞+瘀血」「津液不足+○○」というように、いくつかのタイプをあわせ持っている人もいます。

「体質」とは今の体の特徴。持って生まれて一生変わらないものではなく、食生活や睡眠などふだんのスタイルや、季節、環境などによっても変化します。自分で判断はつけづらいため、全国にある漢方薬局・薬店で体質チェックしてもらい、対処法をアドバイスしてもらうのがおすすめです。

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▶次回の集中特訓【漢方のベーシック妊活「周期調節法」について知りたい#02】はこちら

取材・文/加藤夕子(リワークス)

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教えてくれたのは
教えてくれたのは

中医学講師。中国・遼寧中医薬大学卒業。同大学に医師、大学講師として勤務。1996年に来日し、埼玉医科大学にて医学博士号取得。日本中医薬研究会講師。不妊カウンセラー。著書に『中医非薬物療法の基礎と臨床』など。やさしくも的確なアドバイスにファン多数。

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