2ページ目(2ページ中) | 【妊活メディアが取材】会社辞めるor辞めない、10年前よりマシ?働きながら妊活の問題点、不妊カウンセラーに聞きました
illust/中根ゆたか
画像ギャラリー日本では、約6割のかたが不妊治療のことを職場に伝えられずにいます。
上司の理解がなかったり、プライベートなことなので、伝えたくないという人もいます。カミングアウトするべきかどうかは、勤務先それぞれで状況が違うので、とても悩むポイントだと思います。
ですが、私がカウンセリングした看護師のなかには、
「思い切って上司に打ち明けたら、実はそのかたも不妊治療経験者でシフトを融通してくれた」
など、勇気を持って行動したおかげで、うまく両立できるようになったという例もあります。
子どもを授かったけれど生きがいを失い、後悔することも
私が不妊治療を始めた12年前は「妊活」という言葉もなく、多くがこっそりとクリニックに通っていた時代でした。
だれにも相談できず、仕事との両立に悩んだ末、職場を離れることを決断。
私は地方に住んでいるので、当時通っていたクリニックまで、ラッシュ時は車で1時間半くらいかかりました。
会社には不妊治療のため定時に帰らせてほしいとお願いしましたが、運転中も電話がかかり、駐車して仕事の指示をして、また運転して、受付ギリギリにクリニックに駆け込む日々…。
出張も多かったので、排卵日前後に重なるとその周期は治療できず、1回チャンスを逃してしまったり。
男性社員からは「定時に帰るな」と言われ、「今産まなくてもそのうち産めるだろう」と、心ない言葉をかけられたこともありました。

仕事を辞めてからはスムーズに通院できるようになり、無事に子どもを授かりましたが、同時期に出産したママたちが育休を終えて復職していくなか、私には戻る会社はないんだと気づきました。
仕事が生きがいだったので、心にぽっかりと穴があいたようで、なぜ仕事を辞めてしまったのかと、自問自答を繰り返しました。
そんなとき、不妊治療と仕事で悩んでいる人をサポートする仕組みがないのであれば、自分でつくろう!と思い、活動をスタートすることになりました。
現在は個人相談や企業へのセミナー等を通して、不妊治療をとり巻く環境の改善、企業の制度改革にとり組んでいます。
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不妊治療のため化粧品会社を退職し、第1子を出産。自身の経験をもとに不妊で悩む人の個人相談を開始。現在は企業の不妊アドバイザーやセミナー、執筆活動も行っている。著書に『あきらめない妊活 キャリアと不妊治療を両立させる方法』(みらいパブリッシング)
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