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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 基礎知識 「卵巣嚢腫」とは?症状や治療法、放置した場合の危険性を詳しく解説

「卵巣嚢腫」とは?症状や治療法、放置した場合の危険性を詳しく解説

基礎知識
2023/06/25 公開

ある程度大きくなるまで自覚症状がなく、痛みやおなかの腫れなどで気づくころには、かなりの大きさになっていることも多い卵巣嚢腫。嚢腫が小さければ生活に支障はないものの、中にはがん化するものもあるので注意が必要です。詳しくみていきましょう。

卵巣嚢腫とは

卵巣は子宮の両側に左右1つずつあり、サイズは親指ほど。卵子の成熟、排卵、女性ホルモンの分泌などを担っている臓器です。

卵巣嚢腫は、この卵巣の一部にできた袋状の腫瘍内に、液体や脂肪がたまる病気です。腫瘍内にたまる液体や内容物の違いにより、主に3つの種類に分けられます。

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①漿液性嚢腫【しょうえきせいのうしゅ】

良性の腫瘍で、さらさらとした水のような、黄色っぽい液体がたまります。20〜30代の女性に起こりやすく、卵巣腫瘍全体の15~25%を占めます。

②皮様性嚢腫【ひようせいのうしゅ】

主に脂肪がたまります。髪の毛、歯、軟骨、骨などが含まれることもあります。20〜30代の女性に最も多い卵巣嚢腫で、卵巣腫瘍全体の15~25%を占め、再発しやすいのも特徴です。類皮嚢腫・奇形腫とも言います。

35歳以上の場合、約1%の確率でがん化することもあります。

③粘液性嚢腫【ねんえきせいのうしゅ】

良性の腫瘍です。ムチン性とも呼ばれ、ネバネバしたゼラチン状の粘液がたまります。

このタイプは、嚢腫内がいくつかの部屋に分かれている多房性のことが多く、閉経後の女性に多く見られます。卵巣腫瘍全体の5~30%を占め、大きさが30㎝を超えるまでに成長することもあります。

卵巣にできる「チョコレート嚢胞」とは

チョコレート嚢胞は「子宮内膜症」を原因とするトラブルです。卵巣の中に子宮内膜が増殖し、病巣が袋(嚢胞)を作って、その中に古い血液がたまって起こります。

激しい月経痛が特徴なので、痛みがある場合は婦人科や産婦人科を受診しましょう。

放置すると破裂、感染のほか、たまった血液が古くなってがん化するおそれもあるので注意が必要です。がん化する確率は1000人に7人(0.7%程度)、閉経以降に多いと言われています。

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卵巣嚢腫になりやすい人は?

年齢や体質、生活習慣などに関係なく、女性なら誰でも、どの年代でも発症する可能性があります。

卵巣嚢腫になる原因は?

卵巣嚢腫の原因ははっきりとは解明されていません。

ただし皮様性嚢腫は、受精後に起こるはずの細胞分裂のスイッチが卵子の段階で入ってしまい、髪の毛や歯を勝手に作ってしまうために発症すると言われています。

卵巣嚢腫の症状は

卵巣嚢腫ができても、嚢腫が小さい場合は一般的に無症状です。

妊娠がきっかけで気づく場合や、別の病気で内科などを受診したときに偶然見つかるケースが多く、ある程度の大きさになると、下腹部の膨満感やつっぱるような違和感、腰痛や頻尿、便秘などのさまざまな症状に気づく人もいます。

ただ、慢性的な痛みや症状に慣れてしまい、仮におなかが妊婦のように突き出てきたとしても、「太ったのかな」とそのままにしてしまう人がほとんどです。

これらの症状が現れた場合は、卵巣嚢腫が原因の可能性もあることを知っておきましょう。

卵巣嚢腫を放置するとどうなる?

自覚症状がないので気づきにくい人が多いですが、放置すると危険なケースもあります。

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監修
監修

日本医科大学卒業後、同大学産婦人科、都立築地産院産婦人科医長をへて、95年に小川クリニック開院。妊娠・出産や不妊分野に関する著書も多数。

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