つわり真っ只中のコロナ感染。きっかけは夫の感染…。無症状からの陽性にパニック!【妊娠してからのコロナ感染リアルレポート】
ただ、検査の結果が陽性だったからといって、すぐに入院できたわけではなかったそう。
「私が連絡を入れた時点ではベッド数はひっ迫している…とのことで、ベッドの空きが出るのを自宅で待つことになりました」
自宅療養の間は、もともとかかりつけだった産婦人科から、体調チェックの電話がありました。
「これからどうなるんだろう、出産はどうなるんだろう、おなかの赤ちゃんに感染していたらどうしよう…と不安いっぱいでした」
「不安な中でも、確認しなくちゃ!と、コロナ陽性が発覚してすぐ、かかりつけ医に「赤ちゃんに感染していないか?」と聞いたんです。
すると、『赤ちゃんに何か影響が出るということは考えにくい。ただ、早産になるリスクは高くなるので、少しでも体調の変化や気になることがあれば、すぐに連絡してください』との回答でした」
さいわいなことに、Jさんの熱は1日で下がったそうです。ただ、その後は軽い咳とのどの痛み、倦怠感が襲ってきたのだとか。
「まさに風邪のような症状でした。でも、妊婦は重症化しやすいと聞いていたので、いつ体調が急変するのか不安で不安でメンタルが崩壊しそうでした。
私は寝室から一切出ることなく、夫はリビングで寝起きするという隔離生活も、夫に不便をかけて申し訳なくて…。
だから、陽性と分かって4日目でようやく入院できると聞いて、正直ほっとしました。ただ、そのときは、ほとんど症状は治まっていました。」
こうして、どうにか療養のため入院できたJさん。さらに担当の医師から帝王切開に関する説明を受けます。
「私がもう分娩期に入っていることと、咳などの症状があることから『普通分娩ではなく、帝王切開で』と言われたんです」
本来なら、地元でも「食事が豪華で美味しい」と評判の産婦人科で、計画無痛分娩でお産をするはずだったJさん。
それが急遽、隔離された病室で帝王切開…。あまりの落差に涙が出てきた、と言います。
「もちろん、赤ちゃんと私の命を最優先に考えてくださっての判断だ、ということはわかっています。でも、私の中でも『理想のお産』というものを思い描いていたので…。コロナさえなかったら、と思わずにはいられませんでした」
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隔離された病室で臨んだ帝王切開。ようやく会えた赤ちゃんに涙がとまらない…
入院中は、夫はもちろん、一切の面会が禁止。
とても孤独な状態でしたが、入院の翌日、帝王切開の手術が行われました。
帝王切開の手術は、およそ1時間程度で終了。
「局所麻酔だったのですが、赤ちゃんは遠くから一瞬会えただけ。すぐに隔離されました」
その後2日間、術後の痛みに苦しんだ…というJさん。
「病室には自分ひとり。赤ちゃんにも会えないし、家族にも会えず、ただひたすら術後の痛みに悶絶していました。
本当に自分が赤ちゃんを産んだという実感もなかったですす、本当に辛かったです。正直、痛かったという記憶しかないんです」
結局、Jさんが赤ちゃんをその手に抱くことができたのは出産から5日後。
「発症してから10日後、PCR検査で陰性が確認され、なおかつ赤ちゃんにもPCR検査をしました。赤ちゃんの陰性が確認されてから、ようやく母子同室になれました」
「看護師さんに、『ほら、赤ちゃんもママに会いたがっていたんだよ』って言われたときは、涙が止まりませんでした。
私以上に、きっと赤ちゃんは寂しかっただろうし、頑張ってくれていたんだろうな、と。何度も『ありがとう』と伝えました」
さっそく、夫にビデオ通話で母子同室になったことを伝えたJさん。画面の向こうで夫も大粒の涙を流していたそうです。
「夫も口に出さないだけで、不安でいっぱいだったんだろうな、と思いました。きっといろいろ頑張っていたんですよね」
退院当日、病院の玄関の前で待っていた夫と涙の再会を果たしたJさん。
「コロナにかかっているとわかってからの出産で不安はあったけれど、病院がしっかりと『どうするか』を示してくれて、説明もしてくれました。
『妊婦がコロナ陽性になったときの対応もしっかりと確立しているから安心できた』というのが、今回経験してみての正直な感想です。ただ、それは私が比較的軽症だったからですよね。そういう意味では、私はきっと幸運だったんだと思います」
今となっては忘れられないお産になった、とJさんは話します。でも、やっぱり当初予定していた「特別室+無痛分娩でのお産」への思いは捨てきれないのだそう。
「もし2人目を妊娠できたときには、最初に出産希望していた産婦人科で産みたいな、と思います。そのためにも、1日でも早くコロナが終息してくれることを願うばかりです」
「自分だけは大丈夫」という過信は禁物
いくら感染予防を万全にしていても、感染してしまう可能性は十分にありますもし、妊娠中にコロナにかかってしまった場合は、主治医の指示をしっかりと仰ぐようにしたいですね。今回の2人の女性の体験談が、参考になれば幸いです。
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