【京都府&京都精華大学生と「プレコン」を学ぶ】不妊について心配したことがある人は意外と多い?
保険適用の不妊治療費では、自己負担額分の半額を助成するなど、全国トップクラスの不妊治療支援を実施する自治体・京都府。安心して妊活・不妊治療ができる環境、子どもを産み育てることができる環境づくりを目指し、京都府ではさまざまな取り組みを行っています。
その中のひとつ「プレコンセプションケアプロジェクト」と主婦の友社「みんなのプレコンセプションケア(みんなのプレコン)」プロジェクトがコラボ。大学で出張授業をおこないました。その様子をレポートします!
男女ともに生殖・妊娠に関する正しい知識を身につけよう
京都府では、京都精華大学と包括協定を締結。多種多様な地域課題の解決にむけた発信や取り組みを強化しています。京都精華大学は、日本初、そして唯一マンガ学部を設置している大学です。これまでも、京都府と協力して多くの啓発マンガなどを制作。
その取り組みの、本年度のテーマに「プレコンセプションケア」が採用されたと聞き、主婦の友社「みんなのプレコン」のメンバーもおじゃますることに。
マンガを制作するにあたり、まずはプレコンセプションケアの基本情報を京都府の職員が国のデータなどをもとに解説。そこに「みんなのプレコン」もジョインして、実例などを交えて特別授業を実施。授業の様子を一部紹介します。
京都精華大学マンガ学部の選択授業。学生は与えられた2つのテーマから、興味があるほうのマンガを作成していきます。今年度は2つのテーマの一つに「プレコンセプションケア」が採用されました
不妊検査や不妊治療の経験がある夫婦は約4.4組に1組
国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、令和3年(2021年)不妊を心配したことがある夫婦は39.2%で、夫婦全体の約2.6組に1組の割合に。また、不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦の数は「約4.4組に1組」(出典:国立社会保障・人口問題研究所「年社会保障・人口問題基本調査」)。
京都府のプレコンセプションケアプロジェクトについて説明する京都府こども・子育て総合支援室の金重さん
全体の出生数は下がっているなか、妊娠を希望し、検査や不妊治療を受けるカップルは増加しています。いまや、妊活や不妊治療は決してめずらしいことではないことがわかります。
リスクの高い妊娠が増えてきています
女性のやせが増えてきていることも問題となっています。出生数に占める低出生体重児(出生体重が2500g未満の赤ちゃん)の割合が増加傾向にあります。その原因として、近年指摘されているのが、母体である女性がやせすぎていること。低体重で生まれた赤ちゃんは、正常体重で生まれた赤ちゃんと比べて健康リスクが高いこともわかっています。
プレコンセプションケアについて解説をする京都府こども・子育て総合支援室の保健師・中村さん
女性のやせすぎが増える一方で、肥満も増加しています。肥満の場合、排卵にトラブルが生じたり、流産や不育症、妊娠中の合併症のリスクが高まる可能性もあるといわれます。
そのため、適正体重を維持することが必要になります。目安のひとつとなるのが、BMIです。
計算方法は
体重(kg)÷ (身長(m)× 身長(m))
やせ→18.5未満
標準→18.5~25未満
肥満→25以上
熱心にメモをとる京都精華大学マンガ学部の学生
自分の今を知ることもプレコンセプションケアでは重要です。授業では、実際に学生たちにも自身のBMIを計算してもらいました。
女性はもちろん、男性も知っておきたい「卵子は増えない」
講義では、「考えたことがなかった」という人も多い卵子についてのお話も。
卵子のもと(原子卵胞)は、女性が母親のおなかにいるとき(胎児期)につくられます。その後、新たにつくられることはありません。
胎児のころに約700万個ほどあった卵子は、出生時には約200万個まで減少。思春期には、約30万~20万個に減るといわれています。この事実を知っているのと知らないのとでは、将来設計が変わってくるはずです。
主婦の友社「みんなのプレコン」からはメンバーの広部・松本が参加しました
授業終了後、学生からは「実際にチェックしてみたけど、できていないことが多かった…」「妊娠適齢期っていうのも意識してみたほうがいいですね」など、質問や感想も。まだまだ認知度の低い「プレコンセプションケア」を学生たちがマンガでどう表現するのか、「みんなのプレコン」では引き続き注目し、取材を進めていきます。
セミナー後、京都精華大学マンガ学部のみなさんからは質問も。学生からの質問に応じる京都府こども・子育て総合支援室の河本さん、矢野さん
じつは100年超の老舗出版社でもある主婦の友社。出版社目線からのアドバイスも!?
撮影/松井ヒロシ
将来の選択肢を広げ、自分らしい人生を歩むために、「知らなかった」「知っておけば…」を少しでも減らすお手伝いがしたい、と立ち上げた主婦の友社「みんなのプレコンセプションケア」プロジェクト。「みんなのプレコン」ではプレコンに関する情報を取材、発信中です。公式SNS(@minnano_precon)などもチェックしてみてくださいね。
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「プレコンしない?」と気軽に話せる、ウェルビーイングが当たり前な健康社会をめざし、主婦の友社が始動したプロジェクトです。
いつか家族をもつのかな?自分らしい働き方は?子どもを育てる?
プレコンセプションケアは、きょうの自分から、次なる世代へとつなぐ「命のバトン」。みんなが自分を大切にすることで、すべての人たちの幸せが続きますように。
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