3ページ目(5ページ中) | 『情熱大陸』で紹介されていた「ICSI」って何?全国から患者さんが続々!加藤レディスクリニック院長に聞く
元気な精子を選ぶときにも、技術力が必要?!
まいか 精子にも、卵子と同じように選ぶ基準があるのですか?
加藤院長 採精した精液は、そのままでは使えません。遠心分離装置を使って、その中から運動率や形態のよい、受精能力が高い精子を回収しています。
まいか その後、選んだ精子を卵子に注入するのですね。
加藤院長 いえ、その後、もう1つステップが必要なんです。「ICSI」を行うにあたっては、ガラス針の中に精子を吸い上げなくてはなりません。良好な精子は動きが活発なため、そのままでは吸い上げにくいので、精子を動かないようにする「不動化」の必要があるのです。
まいか 動かなくする? そんなことができるのですか?
加藤院長 一般的には化学物質を使って不動化していますが、当院ではそのような薬品を使わず、培養士が針で精子のしっぽを押さえて動きを鈍くしたうえで、ガラス針に吸い上げています。

まいか 精子のしっぽを押さえて、ガラス針に精子を吸い上げてから卵子に刺すなんて、すごい! もしかして、クリニックによって、培養士さんの「ICSI」の技術に差はあるのでしょうか?
加藤院長 技術の差はありますね。理由としては、培養士個人の経験の差があること、そして、クリニックが培養士の技術をきちんと見極めているかどうか。その2つがあります。経験の浅い培養士が行った「ICSI」では、受精率が低くなる可能性があるのです。
まいか 加藤レディスクリニックでは、どのような方針で行っているのですか?
加藤院長 当院では、培養士になったばかりの人にいきなり「ICSI」を行わせることはありません。たとえば3年間ほど、卵子や胚の扱い方や精子の判別などさまざまな技術を習得したのちにはじめて「ICSI」に携わらせるなど、ステップを踏んでできることを増やしていくようにしています。
もちろん、培養士によってじゅうぶんな知識や技術を身につけるスピードが異なるため、ベテランの培養士がそれを見極めながら育成を進めています。そのため、3年より早くできる場合もあれば、遅くなる場合もあります。
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