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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 不妊治療コラム 後日判明して夫婦で驚愕しました。手術前に医師からの説明がなく…夫がクラインフェルター症候群? 

後日判明して夫婦で驚愕しました。手術前に医師からの説明がなく…夫がクラインフェルター症候群? 

2024/02/12 公開

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妊活メディア『赤ちゃんが欲しい』に寄せられたお悩みに、産婦人科ドクターが回答します。今回はBさんご夫妻の男性不妊と手術にまつわる医師とのコミュニケーションにまつわるケースです。

紹介先の病院で手術するも、十分な説明がなくて不安な気持ちになりました

質問者Bさん/結婚10ヶ月目、妻29才、夫34才の夫婦です。

夫のほうが、無精子症と診断されました。最初の病院で一回、TESE手術をした結果、不動の精子が数匹見つかりましたが、残念ながら凍結したものの中に精子は1匹もおらず、よい結果にはなりませんでした。

別の某病院(有名クリニックです…!)へ紹介を受け、藁にもすがる思いで、夫婦で受診をしました。そこでは、「精子が見つかったのなら、ここで2回目の手術を受けて、早くよい結果を得ましょう」と、言ってくれた医師の言葉を信じることにしました。夫に二度も痛い思いをさせることは心苦しかったですが、私も夫も、子どもを欲しい気持ちは変わらないことを確認し、2回目の手術に踏み切りました。

初診時は、血液検査一般と、染色体検査を受けて一旦帰宅しました。

後日、改めて病院へおもむき、手術を受けました。前回受けた血液検査の結果をまだ聞いていなかったのですが、朝早くからの手術でしたので、手術後に前回受けた血液検査の結果も含めて説明があるのかと、大きな不安と少しの期待を胸に夫の手術が終わるまで待ちました。

しかし、夫の手術終了後、病室にて医師からの説明を待っていましたが、なかなか訪れず、何の説明もないまま、なぜか私だけ内診室に呼ばれました。そして、何の心の準備もないまま内診を受けさせられました。その後、卵管造影検査もするとスタッフの一人に言われました。

さすがに、何の説明もなしに検査を進められることに納得がいかず、医師の説明を要求したところ、そこで初めて医師が現れ、説明をしました。「残念ながら、精子が見つからなかった。そこで、次のステップを考えて、妻のほうの検査をしたい」とのことでした。

はじめから、ちゃんとした説明をしてくれたらこちらとしても心の準備ができるのにと思いながらも、卵管造影検査を受けることになりました。結果、私の検査は異常がなかったので、ひと安心でしたが、、。

その検査を受けたあと、医師の態度ががらりと変わり、次のステップに向けての検査との説明だったのに、妻のほうに異常はないことを知り、夫のほうに原因があり、病院としてできることはないと思ったのか、さじをなげたような、投げやりな対応を受けました。また、夫の血液検査の結果をちゃんと説明してもらえないまま、手術の報告書のみ受けとり、高い金額を支払って帰宅することになりました。

夫婦とも、必要最低限の説明も聞くことができず、さじをなげられ、どん底に突き落とされた気分のまま、しばらく過ごしていました。

最近になり、報告書に目を通してなかったなと思い、夫婦で目を通してみると、そこには、、、「47 XXY」染色体との文字があり、医師が隠していたのは、夫が「クラインフェルター症候群」だという事実でした。

はじめから、染色体異常の説明を受けていれば、夫に二度も痛い思いをさせてまで、手術をすることはなかっただろうに、AIDなどほかの方法も視野に入れて、別の治療に切り替えるのに、どうしてちゃんと説明してくれなかったのだろう…と、病院に対する怒りが沸々と込み上げてきました。

このような、デリケートな内容の話をほかでする機会はなく、このどうしようもない怒りや悲しみを誰にぶつければ…と心の中で気持ちがかき乱れされてます。

<キーワード>クラインフェルター症候群
男性の性染色体にX染色体が一つ以上多いことで生じる疾患の総称。性腺機能不全を主な病態としている。発症に関するメカニズムは不明なことが多いといわれている。

関連記事:精子が見つからない病気、知っていますか?要注意なのはどんなケース?

クラインフェルター症候群は最も多く見られる染色体異常です

B様、そしてご主人、まずは、2回の手術お疲れ様でした。
1回の手術でも受ける勇気が持てず、手術を受けられない方もいらっしゃる中で、2回も手術を受けられたご主人の勇気に敬服いたします。

さて、手術前後の経過について、ただでさえ不安がある中で十分な説明がなかったこと、心中お察しします。さらに、クラインフェルター症候群であったとのことで、たいそう驚かれたことと思います。

ただ、ご存じのことかと存じますが、クラインフェルター症候群は最も多く見られる染色体異常であり、 660人〜1000人にひとりの割合で生まれてくるとされています。

無精子症で来院される患者さんにはよく認められる染色体異常で、手術により回収できた精子を使用した顕微受精では同じクラインフェルターとなる確率は通常の方と比較して高くならないとされています。

今後お二人がどのような選択をされるのかわかりませんが、ひとつ心配なことは、ご主人のテストステロンの値です。精巣は精子を作ること以外に男性ホルモンであるテストステロンを作っています。もともと、クラインフェルター症候群の方はテストステロンを作る機能が低いので、2回の手術で精巣機能がダメージを受けて、テストステロンが低下している可能性があります。

一度、採血にてテストステロンを測定することをおすすめいたします。お住まいの地域にもよりますが、まずは一番最初に手術をした病院に行かれるのがいいと考えます。

今後どのようにされるとしても、お二人で決めた答えが正解だと思います。引き続き、お二人でよく話し合ってください。

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日本生殖医学会生殖医療専門医。2022年5月より泌尿器と男性不妊のクリニック院長。杉山産婦人科に設けられた「男性不妊症外来」の診療医を務めた寺井先生は、現時点で日本に数十人しかいない泌尿器科の生殖医療専門医。精子の問題からEDまで、幅広い知識でカウンセリングしてくれます。

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