2ページ目(2ページ中) | こんな病院はやめたほうがいい⁉︎保険診療開始で不妊治療はどうなっている?【TOPドクターの対談が実現!専門医に教わる妊活・不妊治療】
川井先生 不妊治療に保険が受け入れられたことは、患者さんにとって、とても大きいことだったかなと思います。若い女性が治療を受けられる。
それで来られるかたが増えた。
加藤先生 保険がきくことで、助成金では必要だった一時的な持ち出しも不要になり、金銭的なハードルは、二重の面で下がりましたね。
川井先生 ただ、ハードルが下がったことで、以前は体外受精を受けるのに、けっこうな金額を支払うので、それなりに勉強して来られるかたが多かったんですが、保険がきく治療になったので、「体外受精って何?」という、ちょっと軽い考えで治療をスタートされるかたもいます。
人工授精と体外受精の違いがわからずに、足を踏み入れるかたとか。
加藤先生 人工授精と体外受精の違いがわからない人は、夫に多いかもしれない。
そういうときは「いいんですよね、体外受精を選択するということは、こういうことをするんですよ」と、最初の段階で確認しますけど。
川井先生 今回の保険診療では、最初にご夫婦ふたりと話をする機会を必ずもつことになっているので、形だけの同意書ではなくて、きちんと説明することが必要、いや医療側の義務ですよね。
そこでちゃんと話していれば、「何をされているのかわからない」ということはないんじゃないかな。

加藤先生 そこは厚生労働省が保険の制度設計をするにあたり、気にしているところですね。
夫が置き去りにならないようにするという。
川井先生 いい制度ですよね。
加藤先生 厚生労働省が患者さん向けに作ったリーフレット(厚生労働省「不妊治療の保険適用」リーフレット)があって、それを見ておいていただければいいかな、と思います。
年齢制限や回数制限や、先進医療の言葉の意味とかが説明されている。
川井先生 確かに、厚生労働省のHPには「国民の皆様へ」という患者さんの見るPDFの書類と、それに続けて、われわれ医者が見るタイプの「自治体・医療機関の皆様へ」という書類とが縦に並んでいて、なかなかわかりづらい部分もあるんですが、患者さん向けのリーフレットは目を通していただくと、役立つと思います。
加藤先生 もう1つ、保険診療になってのメリットは、患者さんはもちろん、当事者でない周りの一般の人たちが、体外受精などの情報や知識にふれやすくなった点です。
事業者などが、保険診療になったのだから、患者さんの仕事との両立などにも配慮しなくては、ということに、つながっていくといいですね。まだ、もう少し時間がかかるかもしれないけれど。
ドクターの本音!対談②へつづく
>>保険診療で、ちゃんと妊娠できるの?
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