排卵があるのにクロミッドを処方されました。排卵誘発剤を使うほうが結果が出るのでしょうか？【ドクターアドバイス】

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後悔しないように不妊治療を進めるためには、体のことはもちろん、治療内容をきちんと理解することが重要。そこで、山下レディースクリニックの院長・山下正紀先生に不妊治療のことを教えてもらいました。

今回のテーマは「排卵誘発」についてです。

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【質問】排卵誘発剤を使うほうが結果が出るの？

〈質問者データ〉
34歳／夫の年齢30代
妊活歴２年
現在の状況：人工授精３回

自力で排卵があるのに、排卵誘発剤のクロミッドを処方されました。どうしてでしょうか？

【お答え】自力で排卵が起こる人でも、排卵誘発剤を使うことで妊娠率が上がる可能性があります

排卵が不規則な人や起こりにくい人には、排卵誘発剤を使用するメリットは大きいと思います。それ以外の、自力で排卵が起こる人でも、排卵誘発剤を使ったほうが妊娠率が高いというデータもあります。薬によって、卵の質が上がったりホルモンレベルが改善されたりするのがその理由だと思われます。

クロミッドは卵胞を成長させる効果の高い飲み薬ですが、子宮頸管粘液を減らしてしまう副作用があります。しかし、人工授精ならそれは回避できるので、私はクロミッドを使う人工授精を推奨しています。

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一般に、クロミッドを服用すると、排卵時期の卵胞径は服用しないときと比べて25～30mmとかなり大きくなります。排卵を促すhCG（ヒト絨毛性ゴナドトロピン）注射を打つのは、少なくとも23～24mmになってからにしています。卵が十分に成熟していない時点でhCGを打つと、排卵が起こらずに閉鎖卵胞をつくってしまうリスクがあるからです。

刺激周期の人工授精

・hCG
排卵のタイミングをより確実に合わせるため、卵胞の十分な成長を見きわめてhCG製剤を注射。その36～40時間後に人工授精を実施。

・クロミッド＋hCG
卵胞を十分に成長させたり、黄体機能を高めたりする目的で、月経周期５日目ごろからクロミッドを服用し、適切なタイミングでhCG注射。

・hMG（FSH）＋hCG
重度の排卵障害の場合に、hMG注射を選択。打つ回数や量は状況に応じて調整。

人工授精では、排卵する卵子の数を調整することができません。注射の排卵誘発剤では、複数の卵胞が育つことが多く、多胎妊娠の可能性があります。人工授精の実施前に複数の卵胞が確認されたら、その周期の人工授精をキャンセルする可能性も視野に入れて検討しましょう。

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