とにかくわかりやすく解説!あなたは体外受精を検討するべき?不妊治療の名ドクターが語る5つのポイント!
illust/とげとげ。
画像ギャラリー妊活・不妊治療中の悩みで多いのが、体外受精へステップアップするかどうか。
手術みたいでコワい、治療費が高い、それに通院がたいへんそうで、なかなか踏ん切りがつかない…という声も。
そこで今回は、世界最大の不妊・不育治療専門機関(IVF JAPAN)を開設しHORAC グランフロント大阪クリニック院長である森本義晴先生に、体外受精へステップアップすべき5つのポイントを解説してもらいました。
そもそも「体外受精」とは?
ART(生殖補助医療)と呼ばれる治療法です。卵子と精子を体外にとり出して受精させ、子宮にもどします。
体外受精では、いくつかの精子を卵子にふりかけて、その中から自然に1個の精子が卵子の中に入り、受精するのを待ちます。ふつう体外受精には卵子1個あたりで5~10万個の運動精子が必要とされています。
体外受精へステップアップを考える5つのポイント
代表的な不妊治療の進み方として一般不妊治療といわれるタイミング法、人工授精をしてもなかなか結果がでないとき、体外受精へのステップアップがあります。ですが、体外受精を早めに検討したほうがいいケースもあります。
どんなときに体外受精を考えるべきなのか、体外受精のはじめどきは?など、森本先生のアドバイスを参考にしてみてください。
体外受精&顕微授精の始めどきっていつ?
体外受精へステップアップを考える5つのポイントは下記です。
①女性の年齢
②不妊歴
③人工授精の回数
④婦人科系の疾患
⑤重度の男性不妊
それぞれ解説をしていきます。
体外受精ステップアップを検討
女性の年齢&不妊歴
体外受精へのステップアップを考えるポイントは、まずは女性の年齢とそれまでの不妊歴です。
女性が35歳以上なら体外受精を検討していいでしょう。また、年齢にかかわらず、それまでの一般不妊治療がどんなものでも、1年以上妊娠できない場合、ステップアップを考えます。
そして、40歳以上なら不妊要因が特になくても、なるべく早く体外受精に進むことをおすすめします。
体外受精ステップアップを検討
人工授精の回数
実は、人工授精は5回目以降、妊娠率が頭打ちになるというデータがあります。
人工授精での妊娠率は10%前後なので、HORACグランフロント大阪クリニックでは3回程度行っても妊娠しなければ、体外受精に進むケースが多いです。
なお、人工授精の成功率を上げようと、強い卵巣刺激を行うと、ホルモン環境が乱れ、卵子を育てる排卵誘発剤に対する反応性がにぶる可能性があります。
そうなると、いざ体外受精に進んだときに困ることがあるので、人工授精の段階ではできるだけ自力での排卵を利用するのが望ましいと言えます。
体外受精ステップアップを検討
婦人科系の疾患
次にポイントとなるのは、女性側の卵管に問題がある場合です。
卵管形成術で卵管の通りを改善することは可能になりましたが、卵管の内側にクモの巣状の癒着があったり、 絨毛(じゅうもう)がなくなっている人は、卵管が通っていても体外受精の適応になります。卵管水腫も自然妊娠がむずかしい病気です。
また、重度の子宮内膜症(チョコレート嚢腫)や子宮腺筋症がある場合、進行が早く、半年くらいで卵巣機能が悪化してしまうことがあります。
さらに、AMH(アンチミューラリアンホルモン)値が1を切っている人は、卵巣に残っている卵子の数があまり多くないと考えられるため、早めのステップアップを検討してください。
関連記事:子宮内膜症・子宮筋腫があっても妊娠できる?婦人科2大疾患がある場合の不妊治療
体外受精ステップアップを検討
重度の男性不妊
男性側では、乏精子症、精子無力症、奇形精子症などがあれば体外受精の適応になります。精子の運動率には日によってバラつきがありますが、50%を割ることが多い人は体外受精を考えていいでしょう。
WHOの基準を男性不妊の目安にすることが多いのですが、これは健康な男性とそうでない人の比較研究から始まっているものなので、数値が少し甘めであるということを知っておいてください。
リモート勤務がふえるなど、働き方が多様化している昨今。高度生殖医療への保険適用もはじまりました。体外受精を検討し始めるのにいいタイミングといえそうです。
また、最近ではオンライン診療もかなり充実しています。クリニックによっては、オンライン診療がメインというところも。お薬や、自己注射のセットは郵送。通院はチェックのためと、採卵、胚移植のときという病院もあります。クリニックにぜひ問い合わせてみてください。
こちらもチェック⇒⇒不妊治療の保険適用に関して知っておきたいコト
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