自覚症状がない婦人科トラブル!?気づかないうちに進行する〈卵巣嚢腫〉手術をすれば妊娠できますか？【ドクターアドバイス】

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女性に生まれたからには、子宮や卵巣トラブルは他人事ではありませんよね。今回は「卵巣嚢腫」についてドクターが解説します。

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卵巣嚢腫（らんそうのうしゅ）

卵巣嚢腫ってどんな症状？

自覚症状がなく気づかないうちに進行します

卵巣は病気になっても自覚症状があらわれにくい臓器。卵巣がんにいたっては「サイレントキラー」と呼ばれ、早期発見がむずかしい病気とされています。

卵巣嚢腫は良性の腫瘍で、袋状の卵巣に何かしらの内容物が詰まった腫瘍のこと。大きく分けて、「漿液性」「粘液性」「皮様性」の３種類に分類されます。

卵巣嚢腫は無自覚ですが、大きくなってくると、卵巣腫瘍のつけ根部分がねじれたり、嚢腫自体が破裂したりすることで、激しい痛みにおそわれます。今まではいていたパンツやスカートがきつくなることで気づくケースもあり、そのころになるとかなりの大きさになっています。

大きくなった卵巣が固定されず動いてしまうので、卵管采が卵子をピックアップしづらくなり、それが妊娠を妨げる原因にもなります。

卵巣嚢腫は大きく分けて３種類

皮様性

卵巣の中にある卵子がなんらかの遺伝子異常により、皮膚や髪の毛脂肪分、歯などの組織に。それらがかたまりとなって嚢腫に。卵巣嚢腫で多いのはこのタイプ。

粘液性

卵巣の上皮からできている嚢腫。ネバネバとした粘液がたまります。

漿液性

卵巣の上皮からできていて、卵巣の中にサラサラとした透明な黄色っぽい 液体がたまります。

卵巣嚢腫の治療について

大きなものや皮様性は手術でとり除くことも

卵巣嚢腫には効果的な薬がありません。再発しやすい皮様性嚢腫の場合や、ねじれる可能性がある大きな嚢腫は手術 （腹腔鏡手術）の可能性が高く、再発しにくい漿液性嚢腫や粘液性嚢腫は、小さいものであれば特に処置はせず、そのまま妊娠にトライすることも。

しかし、卵巣嚢腫の術後に卵巣機能が低下することもあると学会で報告されているのも事実。妊娠をのぞむのであれば、卵巣という臓器の扱いは慎重に行なわなければなりません。

腹腔鏡手術ってどんな手術？

腹腔鏡を用いた体に負担の少ない方法

腹部に２、３カ所穴を開け、腹腔鏡を腹腔内に入れて、卵管や卵巣、子宮などの状態をモニターに映し出し確認。モニターを見ながら行なう手術で、入院して全身麻酔で行ないます。

※『赤ちゃんが欲しい』の記事を再編集して掲載しています。

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