2ページ目(3ページ中) | 【20代で養子を迎えた家族の物語】無精子症・不妊治療から特別養子縁組でわが子を抱いた!20代夫婦の歩みとは?

病院では次のステップとして精子提供(AID)をすすめられました。精子提供についていろいろ調べてみましたが、精子提供者についての情報を得ることができないため、将来子どもにも父親がわからないことを伝えなければならないと知りました。自分たちには合っていないと感じたというふたり。精子提供のシステムは、見送ることにしました。
特別養子縁組を提案したのは妻・Rさんのほうでした。
「当時、私は男性不妊のブログばかり読んでいたのですが、ある方が男性不妊の治療を終えて、特別養子縁組で双子を迎えたのを知って、養子もいいなと思い始めました。私も幼少期、友だちの親にかわいがってもらったりして、そんなに血のつながりにはこだわっていないことに気づいたんです。それで夫に相談したのですが、最初は聞く耳持たずでしたね」
実は当時、夫・Sさんは離婚を考えていたのです。自分が原因で子どもができない。でも妻はまだ若いし、ほかの人と結婚すれば子どもも産めるだろう。自分さえ身を引けばいいんだと、思い詰めていました。目つきまで変わってしまって、友だちからも「最近、おかしくない?」と、心配されていたそうです。
それからしばらくして、Sさんが仕事で単身赴任することに。
少し離れてみると冷静になって、茂樹さんの心にも余裕が生まれ始めました。養子のことも前向きに調べようと、気持ちも変わっていったのです。不妊治療はRさんがひとりで頑張らざるを得ない状況でしたが、特別養子縁組に切りかえてからは、Sさんが積極的に資料請求や説明会の申し込みなどに奔走。ふたりで協力し合うようになりました。Rさんの心の負担もかなり軽くなり、それまでは友だちに会うのもおっくうだったのが、気持ちが明るくなって、外出できるようになったといいます。
特別養子縁組で生後5日のわが子を迎える
養子を考え始めてから1年ほどして、ふたりは民間のあっせん団体、ベビーライフに登録しました。
登録後、数年は待つだろう、30歳になる前にはわが子を迎えられるといいなと思っていたら、研修を終えて、本登録の日に「もうすぐ生まれる子がいますが、お考えになられますか」と言われてビックリ!断る理由もないし、もう心は決まっていたので、その子を迎えることを決意しました。
6月19日に本登録の面談をして、生まれたのが23日、お迎えが28日というすごい展開です。まだ性別もわからなかったので、慌てて黄色いベビー服を買いに行ったり、お下がりをもらったり。生まれたのは西日本だったので、仕事を休んで飛行機を手配して、生後5日目に産院までお迎えにいきました。
生後5日目のRくん
「道中は今までつらかったことを思い出して泣いたり、もうすぐ会えるんだという期待もあったりで、もうパニックでした」という妻。初めて赤ちゃんを抱っこした夫は、やっと会えた!という喜びと、これから父親として本当にやっていけるのかな?という不安が入り混じった気持ちだったといいます。かけがえのない「たからもの」である男の子にふたりの名前から一字ずつとって、名づけました。
生後5日目のRくんをお迎えに行った日。初めての家族写真
彼らは生みの母親にも会うことができました。先方からの希望で、生後1カ月のときに実母が会いにきてくれたそうです。
「顔が似てるなぁというのが第一印象です。ずっとお会いしたかったので、顔を見て安心しました。私たち夫婦に託してよかったと言ってくれたのが印象に残っています。私はずっと育児日誌をつけているのですが、出産のページだけは書けなくて、白紙のままでした。そのページを実母さんに書いていただいたので、将来、息子に見せたいと思います」
特別養子縁組では、子どもに出生の真実を伝える必要がありますが、ふたりはすでにその練習を始めています。
「隠すのは絶対によくないと思うので、うちは何でもオープンです。最近は団体からすすめられた真実告知のための絵本を読んであげていますが、主人公を息子にたとえて、「父ちゃんと母ちゃんはね…」と言い換えたりしています」とSさん。妻・Rさんもお風呂の中で「Rのお母さんは2人いるんだよ」などと、徐々に語りかけているそうです。
特別養子縁組の団体からすすめられた真実告知のための絵本2冊
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ふたりは昨年、テレビのドキュメンタリー番組「赤ちゃんの絆」に出演。
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