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「あぁ…綺麗な子だ…」ヒット漫画家・おかざき真里さんが描く不妊治療の現場『胚培養士ミズイロ』インタビュー/胚培養士?なんですか?から始まった…作品制作の裏側を聞きました

2022/12/22 公開
2023/06/15 更新

『胚培養士ミズイロ』おかざき真里/小学館

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クリニックで初めて卵子の画像を見せていただいたのですが、どの卵子もすべて美しく、きれいで、愛おしかった。

第1話で、主人公の水沢が卵子を見て「ああ、綺麗な子だ」と言うシーンがあるんですが、それは私の素直な思いでもあります。

『胚培養士ミズイロ』第1話 声を聴く人 より

患者さんが実際に胚培養士さんに会う機会は少ないと思いますが、私がお会いした胚培養士さんたちはみな、卵子や精子、受精卵を心から大切にしていました。最新技術を用いているのですけど、技術だけじゃなく、患者さんと同じ目線で卵子を大切にしているし、命として丁寧に扱っている。そして心から妊娠を願っている。それを漫画で伝えたいなぁって思いました。

ある胚培養士さんが、「電子カルテに『陽性』と表示されると『よし!』とガッツポーズしちゃいます」と話してくれました。「もちろんその先にも大変なことはあるんだけど、まずは『よし!』と思います」と。
読者の方にもこの思いを伝えたいなぁと思って、そのシーンを第1話に入れました。

関連リンク:体外受精ってどんな治療?治療の流れを知りたい

取材した不妊治療経験者に共通の言葉。それは「お金のことは考えない」

実際に不妊治療を経験した方にもお話をききました。

最初は女性、男性、ランダムに体験を聞いていたのですが、途中からご夫婦に話を聞くことにしたんです。それも、いっしょに聞くのではなく、時間をずらして一人ずつ話を聞きました。

「もしかして失礼かな…?」とも思ったのですが、夫婦でよく覚えているエピソードが同じなのか違うのか、知りたかったんです。

私が取材した方はみなさん、赤ちゃんを授かった方でした。皆さんとても夫婦仲が良くて、別々に話を聞いているのにその内容にズレがないんです。不妊治療中はつらいこともあったと思うのですが、「いっしょに大きな波を乗り越えてきた」というチーム感があり、素敵だなあと感じました。

もちろん、そういう人ばかりではないでしょう。最終的に子どもを授からなかったご夫婦もたくさんいるのを知っています。後悔をかかえたり、夫婦の関係が悪くなってしまったり、そんな話をSNSなどで見かけることもあります。それぞれの不妊治療の卒業についてももちろん、漫画の中にとり入れていきたいと思っています。

印象深かったのは、取材した方の意外な共通点でした。みなさん「不妊治療にかかった費用の正確な額がわからない」と言うのです。

どの人も「何月何日にこんな治療をした、その結果は何月何日に出た」など、治療の経過は詳細にメモしているんです。なのに金額はつけていない、あるいは、つけるのを途中でやめているのです。

私が取材した時期はまだ不妊治療は保険適用になっていませんでした。かなりの高額になっていることは予想できます。それをこまめに計算していたら治療が続けられなかったんだろうな、その気持ちわかるな、と思いました。いつかお金の問題も、漫画の中でとりあげられたらと思っています。

関連記事:不妊治療の保険適用。何が、どう変わるの?【専門ドクター解説】

20~40代の男性が読む雑誌だからこそ伝えたい。「快楽だけの性」じゃない

『スピリッツ』の読者は20~40代が中心で、その7割が男性です。不妊治療に興味がある人や、不妊治療の当事者意識をもってこの漫画を読む人は、ほとんどいないんじゃないかなと思っています。

次のページ> 男性読者がほとんどだからこそ、伝えたいこととは?

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