保険適用後はステップアップではなく、短期決戦を強化。秋には体外受精に特化したクリニックにリニューアルを予定【松本レディースクリニック】

保険診療で体外受精を受けるメリットを「松本レディースクリニック」にお話を聞きました。
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金銭的な壁が低くなり短期決戦が検討しやすくなった
「不妊治療には、3つの壁があります。1つ目は【金銭的な壁】。
2つ目は物理的に、あるいは精神的な通いにくさなどが招く【アクセスの壁】。
3つ目はたとえば『仕事があるから、治療の機会がつくれない』といった【機会の壁】です。
これらの壁に阻まれて治療が続けられないという人は少なくありませんが、保険適用によって金銭的な壁はだいぶ低くなりました。それにより、治療との向き合いかたも大きく変わってきました」そう話すのは「松本レディース リプロダクションオフィス」の、松本玲央奈理事長。
1999年に池袋に開院した松本レディースクリニック。2020年に池袋駅東口すぐのビルに外来を移転し、現在の名称になりました。これまで数多くの患者さんと向き合ってきた松本理事長ですが、そのなかで先述したような「壁」に阻まれ、治療を長引かせてしまうケースにも直面してきたそうです。また、保険適用によって「多くの人が『短期決戦』ができる治療を検討しやすくなった」とも話します。
2023年10月2日に移転予定。新医院は、糸を彷彿とさせる装飾が印象的。繭に包まれているような雰囲気を演出しているそう。
「これまでの不妊治療は、タイミング法、人工授精、切り札として体外・顕微授精というように一段階ずつステップアップしていくことが一般的でした。
しかしながら人工授精の1回あたりの妊娠率は、平均わずか6%程度です。当院の体外受精の妊娠率は58%(30〜34歳)ですから、6%が高い数字ではないことは容易にわかると思います。それにもかかわらず多くのかたが人工授精のステップを踏む。その理由の1つになっていたのが金銭的な壁です」と、松本理事長。
というのも、保険適用以前の自費の体外受精は排卵から移植1回まで80万円程度です。そうなると金銭的に簡単には体外受精に進めない。だから可能性は低くても、ひとまず人工授精を行う。金銭を理由に、妊娠率の高い治療へ直進できずに迂回したりあきらめたりするかたは少なくなかったそうです。
最新の機器を取り入れ一人ひとりに合わせた治療を行っています。
「不妊治療は長引けば長引くほど、体にも精神面にも負担がかかります。だから医療を提供する側からしても、『短期決戦』に持ち込みたい。となると本来はより可能性の高い体外受精へ直進する道をおすすめしたいのですが、保険適用以前はどうしても金銭的壁に阻まれてしまうケースが多くありました。
保険適用が始まりその壁が低くなったいまは、多くの人が『短期決戦』できる治療を検討しやすくなったと言えます。それが、保険適用の最大のメリットではないでしょうか」
治療が短くなれば、ほかのストレスも最小限に
冒頭で3つの壁をお伝えしましが、保険適用によって金銭的な壁が低くなったことはほかの2つ壁を低くすることにもつながってくると、松本理事長は言います。
「不妊治療はどうしても通院が必要ですし、仕事との両立にあたっては時間を調整したり、会社と相談をしたりしなければなりません。それらがストレスになることは否めず、治療が長引けば長引くほどに苦痛は大きくなります。
そして次第にアクセスの壁や機会の壁となって立ちはだかり、結果『治療をあきらめる』という選択をするかたもいます。ですが短期決戦で治療を行えば、ほかの2つの壁が高くなる前に治療を卒業できます。保険適用は金銭の壁だけでなく、不妊治療の前に立ちはだかる3つの壁を低くするきっかけにもなったと言えます」
より体外受精に特化した、クリニックにリニューアル予定
不妊治療は「長引かせない」ことが重要。そのためには確率の低い人工授精で足踏みするのではなく、より妊娠率の高い体外受精へと進む。
そして短期決戦で結果に結びつけることを強化したい。そういった思いから松本レディースクリニックは、来たる2023年10月に体外受精により特化した「松本レディースIVFクリニック」に生まれ変わることを予定しています。
移転場所は、池袋のサンシャイン通りに建設中のビル内。
リニューアル後は、約500平米の広さを誇り待合室もゆったりしたつくりに。上質感のあるインテリアでまとめ、クリニックっぽさを払拭していることも特徴。
「新たな名称に『IVF』とつくように、体外受精(IVF)により特化。これまで以上に高いレベルの体外受精を提供するクリニックへとリニューアルをします。
そして『短期決戦』を主眼におき、できるだけ治療期間を短くしてくことを目指します」と理事長。池袋駅の近くに新しく建つビル内に移り内装も一変しますが、あえてクリニックらしくない内装にしたこともこだわりと話します。
名称も「松本レディースIVFクリニック」となり、体外受精により特化したクリニックへ。
「不妊治療を続けるかたの中には『クリニックの空気感が苦手』という人も少なくありません。そういったストレスを軽減するためにも装飾や照明を工夫し、クリニック特有の緊張感が漂わない居心地のいい空間にこだわりました。
また約500平米の広さを誇るので待合室も診療室もゆったりしたつくりになっているほか、院内をスムーズに移動できることに視野に入れた動線も特徴です。ホテルのロビーのような空間なので、リラックスして過ごしていただけると思います」
開院から20年超の歴史をもち、その中で培ってきた豊富な知見と最新鋭の設備、最高水準の技術でこれまでも幅広いニーズに応えてきたクリニックですが、そこに居心地のよさも加わり、さらにレベルアップします。期待が高まる新生「松本レディースIVFクリニック」、ぜひ注目をしてみてください。
保険適用後はステップアップではなく、短期決戦を強化。
「どっちが正解だか判断できない」「進むべき、やめるべきか判断できない」。そんなふうに、悩まれるかたもいらっしゃいます。判断してほしいというかたもいらっしゃいます。私たちはもちろんアドバイスもしますし、選択肢を提案します。
でも、最終的にどうするかを決めるのは本人なのです。自分で決断できず、人の意見に流されたり頼ってしまうと、結果出なかったときに受け止めることができず、自分や他人をせめてしまうことも多いように思います。自分でしっかり考え、自分で「決断」する。その勇気と責任は、不妊治療においてとても重要だと思います。
監修
松本レディースクリニック
理事長 松本 玲央奈 先生
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。聖マリアンナ医科大学卒業後、東京大学産婦人科学教室などに勤務。東京大学大学院医学研究科に入学。修了後、同大学医学部附属病院・助教を経て2020年に松本レディース リプロダクションオフィス院長、2021年松本レディースクリニック理事長に就任。国内外の学会で数々の賞を受賞している。
松本レディースクリニック
住所
東京都豊島区東池袋1-41-7 池袋東口ビル7階
アクセス:JR「池袋駅」より徒歩すぐ
電話番号
03-6907-2555
時間
月/8:15~12:00、14:30~18:00
火/8:15~12:00、14:30~18:00
水/8:15~12:00
木/8:15~12:00、14:30~18:00
金/8:15~12:00、14:30~18:00
土/8:15~11:00、13:45~15:30
日・祝/外来診療はなし処置のみ
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