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不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 基礎知識 マニュアルはない!? 妊娠を目指す治療の進め方を年齢別に解説【不妊治療専門医監修】

マニュアルはない!? 妊娠を目指す治療の進め方を年齢別に解説【不妊治療専門医監修】

2023/05/14 公開

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今こそ、妊娠という結果をめざすためにするべきことを改めて考えました。
今回は治療の進め方について、データとエビデンスにもとづいてリプロダクションクリニック 松林秀彦先生に徹底解説していただきます。

スピード感ある「本気の妊活」で、赤ちゃんを授かる夢に近づきましょう。

妊娠を考えるとき、年齢は切り離せません!

卵子のもとになる原始卵胞は、胎児のころに一生分がつくられ、卵巣に蓄えられています。
20歳なら卵子も20歳、40歳なら卵子も40歳。年齢を重ねるにつれ、卵子もダメージを受けていきます。特に35歳以降は妊娠率が目に見えて下がり、流産率が高くなることがわかっています。

妊活プランを立てるとき、年齢は切り離せない最重要項目です。

関連記事:知ってる?1ヶ月に減っていく卵子はどれくらい?1個?100個?1,000個?

AMHの値も要チェック!

年齢とともにチェックしたいのが、AMH(アンチミューラリアンホルモン)。

発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、血液検査で調べることができます。AMHは、卵巣にある卵子の数を反映するため、卵子の在庫数をはかる目安となります。
20代、30代前半でも、AMHの数値が低い場合は、早めに体外受精にステップアップしたほうがいいケースもあります。

関連記事:卵巣の中の「AMH」から卵子の残数をチェック!

世代別妊娠率& ステップアップの目安をチェック!

35歳未満

タイミング法 3回

人工授精 5~6回

体外受精

35 歳未満で、AMH が4.0以上の場合、1周期あたりの妊娠率は、タイミング法で4~5%、人工授精で8~9%、体外受精で30 ~35%です。

36~37歳

人工授精 3~4回

体外受精

夫婦での自己流妊活期間があるなら、クリニックでは人工授精からスタート。この年齢では、4回以上人工授精を重ねても、妊娠に至らないことがほとんど。早めに体外受精を検討して。

38~39歳

人工授精 2回

体外受精

1周期あたりの人工授精での妊娠率は4~8%、体外受精では15 ~ 30%。
人工授精の成績は2回程度で頭打ちになるので、より妊娠率の高い治療に切りかえていくことが必要です。

40~42歳

人工授精1回

体外受精

1周期あたりの人工授精での妊娠率は0.5 ~4%、体外受精での妊娠率は2〜 15%に。夫婦生活も持ちながら、人工授精、体外受精と治療を進め、妊娠の確率をできるだけ高めて。

43歳以上

体外受精

タイミング法や人工授精での妊娠は、かなり低い確率に。なるべく早く受診をし、最も効果が期待できる体外受精から治療をスタートするのがよいでしょう。

年齢とAMHに合った治療で効率UP


不妊治療には、「この治療をすれば妊娠できる」というマニュアルはありません。不妊の原因、卵子の在庫数、体質などは一人ひとり違います。年齢、AMHを軸に、そのほかの検査結果も見ながら、最も妊娠に近いと考えられる治療プランを立てていくことが大事です。

そのためには、データやエビデンスにのっとって、効率よくステップアップしていくことも必要です。上の年齢別ステップアップの目安を参考にしてください。

体外受精を繰り返しても結果が出ないときは?

卵巣刺激の方法、移植のタイミングなどには、いくつものパターンがあります。うまくいかなかったときには、結果をしっかりと分析し、違う方法を試してみる必要があります。

同じ治療では、結果も同じになる可能性が高いからです。別の治療法の提案がない場合や3回トライしても結果が出ない場合は、クリニックの方針と合わない可能性も。転院を検討して。

こんなときは転院もアリ!

☑3回以上体外受精にトライしても妊娠しない
☑結果が出なくても、別の治療法の提案がない
☑高度不妊治療を実施していない

>>エリアを絞ってクリニックを探してみる

赤ちゃんが欲しい2020夏』より

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リプロダクションクリニック大阪スーパーバイザー。
産婦人科専門医、生殖医療専門医。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学産婦人科、東海大学医学部専門診療学系産婦人科准教授などを経て、2013年に「ふたりで取り組む不妊治療」をコンセプトにリプロダクションクリニック大阪にて、2017年にリプロダクションクリニック東京にて診療に従事。スピード感を重視した的確な治療に信頼が集まる。

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