MENU
不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 妊活ライフ 男性不妊にカップルで取り組むべき理由【中医学リプロダクティブヘルス】集中特訓#09

男性不妊にカップルで取り組むべき理由【中医学リプロダクティブヘルス】集中特訓#09

PR
妊活ライフ
2021/12/21 公開
2023/05/12 更新

画像ギャラリー

妊娠したい女性&カップルなら、ぜひ知っておくべき!漢方・中医学による妊活アプローチについて、「学び」を深める連載。妊活を始めたばかりの人も、なかなか妊娠しないと不安な人も、「読むだけ」で妊娠しやすい身体づくりをめざすことができる!そんな妊活の基本をまとめています。
教えてくださるのは中医学講師の張(ちょう) 立也(りつや)先生。『赤ちゃんが欲しい(あかほし)』編集部とともに、さぁ、授かりに向けて学びのトビラを開きましょう。

第9回のテーマは「男性側のトラブル」。妊娠を望んでいるにもかかわらず、性交渉がうまくいかないというケースがあります。実はED(勃起不全)や射精障害など、人には言いにくいトラブルに悩むカップルは少なくありません。こうしたケースは男性側の問題だと思われがちですが、実はカップルで取り組むこともたいせつなのです。

▼これまでの集中特訓はこちら
#01 妊娠したいならまず「体質タイプ」を学ぼう
#02 漢方のベーシック妊活「周期調節法」について知りたい
#03 基礎体温で身体を知ることが妊活の第一歩
#04 月経とうまくつきあって、妊娠できる体質に!
#05 いい「おりもの」は、妊娠可能なサイン
#06 月経痛&PMS(月経前症候群)とじょうずにつきあう
#07 2人目がほしいと思ったら
#08 流産後のケアとこれからの妊活

中医学では、男性側のトラブルを心身両面から考える

赤ちゃんを望むカップルの場合、男性側のトラブルというと「元気な精子の数が少ない」といった精液検査の結果を気にしがちです。しかし、それ以前に、性交渉が成立していないケースもあります。これは決してめずらしいことではなく、漢方相談で打ち明ける人もいます。

性交渉が成立していない例としては、勃起した状態を十分に保つことができない「勃起不全(ED)」腟内で射精ができない「射精障害」などがあります。

こうした性交渉における男性のトラブルを、中医学では「腎(じん)」が満たされていない状態として、身体と心の両面からとらえます

男性の身体は「8の倍数」で変化する

中医学の特徴として「女性の身体は7の倍数で大きく変化する」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。女性は14歳ごろに初経(初潮)を迎え、21歳ごろには妊娠にもっとも適した身体になり、28歳ごろから少しずつ生殖能力は下がって、35歳、42歳とさらに低下して、やがて閉経を迎えます。

この身体の変化を男性の場合は「8の倍数」で考えます。16歳ごろに思春期を迎え、ひげが濃くなったり、声変わりが起こったりします。また、この時期には眠っている間に射精してしまう夢精が起こりますが、性的に熟してきた証だといえます。さらに、24歳ごろには生殖に大きくかかわる腎が満ちていきます。

男性の場合、高年齢になっても精子はつくられるので、女性を妊娠させることに年齢制限はありません。とはいえ、年齢が上がるにつれて腎の機能は徐々に低下していくので、高年齢になっても若いころと同じ生殖機能を保っていることはまれです。

「五臓六腑」と「腎」の働き

中医学における「五臓」とは、肝・心・脾・肺・腎であり、「六腑」は胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦を意味します。この「五臓六腑」が影響し合って、身体が健康な状態に保たれています。

また「経絡(けいらく)」という目に見えないネットワークが身体に張りめぐらされています。この経絡を「気(き)・血(けつ)・津液(しんえき)」が滞ることなくめぐっているのが健康な状態。経絡の上にあるポイントが、いわゆる「ツボ」です。ツボを刺激することで、気・血・津液の流れがよくなって、五臓六腑が活性化され、健康な状態へとつながるのです。

なかでも生殖には、「腎」が大きくかかわっています。生命の誕生を左右する「腎」はととてもたいせつで、「エネルギーの源」と表現されます

*注:中医学の「五臓」は、西洋医学における内臓とは考え方が異なります。

男性側のトラブルの原因は?


EDや射精障害は、なぜ起こるのでしょうか? 問題なく性交渉ができていた場合でも、急にEDや射精障害に陥ることがあります。

性交渉の流れを考えてみましょう。

男性は視覚や触覚などの性的な刺激があって「欲情する」、するとペニスが「勃起する」、性行為により「腟内で射精する」というのが一連の流れです。個人差はありますが、この流れが連続的に起こり、数分間で完成することが多く、うまくいかないと妊娠には至りません

それぞれのパートに分けて、トラブルの状態をくわしく見ていきましょう。

1.欲情しない

もともと性的なことに興味・関心がない人もいますが、そうでなければ、性欲がないときの多くの原因は疲れやストレスでしょう。

一時的な性欲の減退であれば、そう問題ではなく、深刻に考えることはありません。しかし、それが常態化すると、やがてセックスレスにつながる可能性があります。

2.勃起しない・勃起した状態が保てない「ED」

欲情はするものの勃起しない場合、または勃起した状態が維持できない、いわゆる中折れなど、十分に勃起を保つことができないED(勃起不全)を、中医学では「陽萎(ようい)」といいます。強いシンボルでもある「陽具」が委縮してしまったという意味です。

男性は性的な刺激を受けると、脳の中枢から指令が出ます。それが神経へと伝達されると血液が局部へと集中して流れ、ふだんはやわらかいペニスの海綿体が充血してかたくなることで勃起が起こります。

司令塔である脳の中枢はストレスに弱く、不安やプレッシャーがあると、すぐにダウンしやすいのが特徴です。そのため、なんらかのストレスがかかって十分に勃起した状態が保てなくなることがあるのです。

また、EDは薬の副作用によって、ほかに血圧を下げる降圧剤、潰瘍の治療薬、向精神薬などの薬を服用しているとEDが起こる可能性があります。

3.腟内で射精できない「射精障害」

射精障害の多くは、ストレスやプレッシャーが原因として考えられます。また、マスターベーションでは射精できるのに腟内では射精できないケースもあります。この場合もストレスやプレッシャーによることが多いのですが、極端な性的刺激が必要で女性の腟内では満足感が得られないというケースもあります。

4.射精した感覚があるが射精していないケース

本人には射精した感じはあるけれど腟内に射精されていない「逆行性射精」というケースがあります。

本来は尿道口から身体の外へと射精されますが、それとは逆側の膀胱へと射精されてしまう状態が逆行性射精です。逆行性射精は、糖尿病にともなう神経障害として起こるケースがあります。

妻の態度がプレッシャーになることも

EDや腟内射精障害の原因の多くは心理的なものですから男性本人の問題だととらえがちですが、必ずしもそうとはいいきれません。パートナーである女性の言動や態度にもかかわっているからです。

排卵日のタイミングを重視するあまり、男性に「今日は早く帰ってきて!」「絶対に遅くならないでね」と要求することがありませんか? 最初のうちは気にしていなかった男性にとっても、それがたびたび続くとストレスになることもあります。

また、性交渉がうまくいかなったときに「ダメねえ」「え〜、またできないの?」「男ならできるでしょ!」というような言葉を思わず口にしていないでしょうか? そうした言葉に男性が傷つくこともあります。そして、翌月になってまた「早く帰宅して!」と言われたら、「今日もダメだったらどうしよう」とプレッシャーに感じることもあるのです。

男性は、女性が思う以上にずっとデリケートです。女性がなにげなく放った言葉が、男性の胸にぐさりと突き刺さって、思わぬダメージを与えることもあるのです。それがEDへとつながり、セックスレスになったら、子どもを望むカップルにとっては大きな問題になってしまいます。

中医学における「弁証論治」

人によって異なる症状を中医学の診断方法で総合的に判断し、その人がどの証(体質)であるかを判断し、対策することを「弁証論治」といいます。

男性側のトラブルを、中医学では3つの方向から判断することができます。川の流れを例にして考えてみましょう。「精子」を魚と考え、魚が泳ぐ川は、精子の通り道である「精管」と考えます。

「腎」の充実が不足する「腎虚精少(じんきょせいしょう)」は、川を泳ぐ魚が少ない状態で、いわば精子の数が少ないイメージです。この場合には、腎を補う「補腎填精(ほじんてんせい)」の漢方薬を選びます。

精子をつくる精巣や精子を運ぶ精管が汚れて、流れが悪くなってしまった状態があります。男性の尿道炎、睾丸炎などにより精子がダメージを受けます。これを「湿熱下注(しつねつかちゅう)」といい、川をきれいにして流れをよくするには、熱を取り除く「清熱除湿(せいねつじょしつ)」の漢方薬を用います。

また過度な飲酒・暴飲暴食などの不摂生は血流を悪くさせます。あるいは精索静脈瘤により局部の「瘀血阻滞(おけつそたい)」をていします。血の流れを改善する「活血化瘀(かっけつかお)」の漢方薬が役立ちます。

さらに、五臓の中では「肝」の経絡が生殖器をめぐって走行しています。肝は精神面とも密接な関係があり、強い緊張や過度のストレスを感じると性欲や性機能が低下してしまいます。

なにかひとつの症状が身体にあらわれている場合でも、その原因はさまざまです。中医学では全体的に問題をとらえて、本人の体質や生活環境も考え合わせながら、最適な漢方薬を選択します。くわしくは漢方専門の薬局・薬店で相談することをおすすめします。

【おすすめの漢方薬】
イスクラ冠元顆粒(かんげんかりゅう)


タンジン、コウカなど6種類の植物性生薬から抽出したエキスを顆粒としたもので、中年以降または高血圧傾向のあるものの頭痛、頭重、肩こり、めまい、動悸の改善を目的としています。45包・90包。

イスクラ参馬補腎丸(じんばほじんがん)


ニンジン、トチュウ、ロクジョウなど13種類の動物性・植物性生薬を配合し丸剤としたもので、虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症の場合の滋養強壮を目的としています。240丸・480丸。

男性は身体に熱がこもる「湿熱」に注意

身体に熱がこもった状態は、中医学では「湿熱」といいます。男性のトラブルにも影響する「湿熱」について説明します。

男性の精子は睾丸の中にある精巣でつくられます。この精巣は熱に弱いことで知られ、熱がこもると精子をつくる造精機能が低下することがあります。

そのため、熱い風呂に長時間入ったり、自転車に長時間同じ姿勢で乗車したりすることは、局所に熱がこもりやすくなるので注意が必要といわれています。

湿熱が起こりやすい人には肥満体型があります。とりわけ肥満とともに高血圧・高血糖・脂質代謝異常を併発しているメタボリックシンドロームの人は注意が必要です。

ペニスの炎症で痛みを感じることも

もし、ペニスに痛みを感じているのなら、炎症が起こっている可能性があります。

女性では腟炎があるように、男性でも局部に炎症が起こります。尿道の出口は粘膜組織で菌が入りやすく、細菌に感染して炎症を起こすことがあるのです。清潔にしていても、疲れなどで免疫力が低下していると感染することがあります。それが広がり、尿道炎、膀胱炎などをまねくケースもあります。また、排尿時に痛みを感じる場合もあります。

炎症がある場合には、身体の熱を取り除く漢方薬が役立ちます。くわしくは漢方専門の薬局・薬店で相談することをおすすめします。

【おすすめの漢方薬】
イスクラ瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)


六味地黄丸にチモ、オウバクを加えた処方で、8種類の生薬から抽出したエキスを丸剤にしたもの。体力中等度以下で、疲れやすく、胃腸障害がなく、口渇があるかたの、顔や四肢のほてり、排尿困難、頻尿、むくみの改善を目的としています。360丸・720丸。

男性側のトラブルを解消するために気をつけることは?

◇禁煙する

タバコは百害あって一利なし。喫煙は血行を悪化させます。赤ちゃんを望むならタバコはやめましょう。

◇栄養バランスのいい食事

栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。また、遅い時間の食事や食事を抜くことも健康にはよくありません。たまのことであれば身体はすぐに回復しますが、頻繁になっている場合は注意が必要です。

◇肥満・やせに気をつける

太りすぎ、やせすぎは健康的とはいえません。メタボリックシンドロームでは、将来の病気のリスクもあります。子どもを育てていくことを考えるなら、いまから健康に気を配りましょう。

◇女性は男性にやさしく接する

女性にとって排卵日は月に1度の大事な妊娠のチャンスです。それに合わせて病院に通ったり、薬を飲んだり、身体づくりをしていることもあるでしょう。ですから、性交渉がうまくいかないと、とてもガッカリしてしまう気持ちはわかります。しかし、そのときに発する言葉や態度には気をつけましょう。

女性が「そんなことくらいで」と思うような言葉でも、男性は傷つくことがあります。つまり、女性が考えるよりも男性はずっとナイーブなのです。自分の言葉や態度に気をつけて、やさしい気持ちで男性に接しましょう。

妊活はお互いの思いやりがたいせつです


EDや射精障害といった男性側のトラブルは、ほとんどは男性の繊細な心と連動しています。男性は心理的に弱い面を見せたくないという思いがあったりして、不安があっても妻に言わないかもしれません。その可能性を考えて、妻は夫にやさしく接しましょう。妊娠を望むいまは、なによりも夫婦が仲よく過ごすことがたいせつです。

ご紹介した漢方薬は、日本中医薬研究会の薬局・薬店で購入できます。症状や体質は一人ひとり異なりますので、薬局・薬店でよくご相談のうえ、お求めください。

お問い合わせ先/イスクラ産業株式会社
お客様相談室 03-3281-3363(土日祝日を除く)
お近くのお店を探すことができるサイトも便利!https://chuiyaku.or.jp/

取材・文/高井紀子

関連タグ

教えてくれたのは
教えてくれたのは

中医学講師。中国・遼寧中医薬大学卒業。同大学に医師、大学講師として勤務。1996年に来日し、埼玉医科大学にて医学博士号取得。日本中医薬研究会講師。不妊カウンセラー。著書に『中医非薬物療法の基礎と臨床』など。やさしくも的確なアドバイスにファン多数。

X LINE
人気記事ランキング
  • 24時間
  • 月間
閉じる