なんか痛い…もしかしたら「排卵痛」かもしれません。痛みを感じる人はどれくらいの割合?どんな痛み?病院には行ったほうがいいの? | 2ページ目 (3ページ中) | 不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし(赤ちゃんが欲しい)
MENU
不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 基礎知識 なんか痛い…もしかしたら「排卵痛」かもしれません。痛みを感じる人はどれくらいの割合?どんな痛み?病院には行ったほうがいいの?

なんか痛い…もしかしたら「排卵痛」かもしれません。痛みを感じる人はどれくらいの割合?どんな痛み?病院には行ったほうがいいの?

2023/04/29 公開
2023/07/06 更新

画像ギャラリー

痛みの程度には個人差があり、まったく痛みを感じない人から、チクチクした痛みや鈍痛を感じるという人もいます。なかには、卵巣の血管が通っている部分が破れることで腹腔内に出血したり、卵胞液がたまったりして刺激となり、激痛を感じる場合もあります。

排卵痛を感じない人は3~4割、感じる人は6~7割いるといわれ、排卵痛を感じる人の中で「強い痛みを感じてかなりつらい」という人は約7%程度といわれています。

排卵痛があったら受診したほうがいい?

毎回、排卵痛があっても、痛みの程度が変わらない場合は、特に受診しなくても心配ありません。

ただし、「1年前より痛く感じる」など、時間がたつとともにどんどん痛みが強くなっている場合は、子宮内膜症の可能性があるので、受診したほうがいいでしょう。

また、鎮痛剤を服用しても効果がなかったり、痛みで夜中に目が覚めたりするような場合は、卵巣出血のこともあります。自然に出血が止まることもありますが、入院が必要になることもあるので、早めに受診して診断してもらったほうが安心です。

排卵痛がある場合に考えられる病気はある?妊娠への影響は?


排卵痛がある場合、子宮内膜症やクラミジア感染症、卵巣腫瘍、子宮筋腫などが考えられます。

子宮内膜症

子宮の内側にある子宮内膜が、卵巣や卵管など子宮以外の場所に発生し、そこで増殖する病気です。骨盤内に広がることが多いですが、肺などの離れたところに発生することもあります。

子宮内膜症のいちばんの特徴は、年齢を重ねるとともに生理痛が強くなることです。それ以外にも、月経血の量が多い、かたまりのような月経血が出る、かなり強い排卵痛や性交痛があるなどの症状が出ることもあります。

子宮内膜症で、卵巣や卵管、子宮、腸などが癒着すると、卵巣から卵胞が出にくくなる、卵管から出た卵胞がうまく卵管に取り込めなくなる、卵子が卵管を通りにくくなる、受精卵が子宮に着床しにくくなるなどの障害が起こることがあります。そのため、子宮内膜症がある場合、約50%が不妊になるといわれています。

生理痛が年々強くなっていたり、鎮痛剤を服用しても効果がなかったり、性交時に膣の奥のほうに痛みを感じるなどの症状があって、赤ちゃんを望んでいる場合は、婦人科クリニックを受診しましょう。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍は、左右の卵巣どちらにもでき、おなかが張る、下腹部痛がある、頻尿になるなどの症状があります。しかし、それほど大きくないうちは症状が出ないことも多く、腫瘍が大きくなってから、スカートやパンツのおなか回りがきつくなったことで異変を感じるケースも多いものです。

卵巣に腫瘍ができても月経が遅れたり、不順になったりすることはほとんどなく、妊娠にもあまり影響はありません。ただし、悪性の場合が10%ほどあるため、定期的な健診を受けて早期発見できるようにしたい病気です。

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍で、子宮の内側にできる粘膜下筋腫、子宮の筋肉の中にできる筋層内筋腫、子宮の外側にできる漿膜下筋腫の3つに分けられます。

よく見られる症状は
①月経量が多い、②月経痛がある、の2つですが、筋腫ができる場所や大きさによって、症状の出方には違いがあります。

もっとも症状が強いのは粘膜下筋腫で、それほど大きくなくても過多月経や月経痛といった症状が出やすいのが特徴です。筋層内筋腫の場合は小さいうちは症状が出ないことが多いですが、大きくなると症状が現れます。漿膜下筋腫は子宮の外にできるため、大きくなっても症状が出ないことも多いです。

妊娠に対しても、子宮の内側にできる粘膜下筋腫、筋層内筋腫の順に影響があります。子宮の外側にできる漿膜下筋腫の場合は、不妊の原因になることはありませんが、妊娠してからは子宮を圧迫することがあり、早産の原因になることがあります。

クラミジア感染症

クラミジア感染症の原因は、性行為によって「クラミジア・トラコマティス」という病原菌に感染することです。

感染すると、子宮頸管に炎症が起きるため、おりものが増える、下腹部痛があるなどの症状が出ることがありますが、約半分の人には症状が出ないため、気づかないことも少なくありません。

なんとなく痛みがあって受診し、念のため行った検査で見つかるということもあります。

気づかないまま放っておくと、感染が広がって子宮内膜や卵管、卵巣などにも炎症が起きることも。炎症がある部分には癒着が起こり、不妊につながるので、早めに見つけることが大切です。

排卵痛で病気が見つかった場合、治療はどうするの?

子宮内膜症は薬や手術で治療を行い、卵巣腫瘍、子宮筋腫の治療は手術が基本となります。クラミジア感染症の治療は薬で行います。

次のページ> どんな治療をするの?妊娠はできるの?

1991年名古屋市立大学医学部卒業。国立名古屋病院(現名古屋医療センター)、名古屋市立城北病院(現名古屋市立大学医学部附属西部医療センター)を経て、2002年咲江レディスクリニックを開院。日本産婦人科学会・日本性感染症学会・日本思春期学会会員、日本性科学会認定セックスセラピスト。セックス時の悩みの治療やパートナーとのコミュニケーションの取り方などをアドバイスしてくれる、日本では数少ないドクターです。

Twitter LINE
人気記事ランキング
  • 24時間
  • 月間
閉じる