太田光代さん×あかほし読者が「妊活」を考えます!夫婦関係をギクシャクさせない方法
太田さん:40代の終わりに一度、体に戻そうかと思ったんです。でも「子どもが成人するときに私は70才か…」と思ったら、踏みきれなかった。
Hさん:私も今47才なので、そこは不安です。
太田さん:確かに50代でも産む決断をしている人がたくさんいるので人それぞれですけど、私の場合、着床しなくて受精卵がなくなるのも寂しかったんです。「いつか戻せるかもしれない」と思いながら、残しておくことが私の答えだったのかも。
Sさん:答えは自分の中でわき上がるものですか?
太田さん:そうだと思います。40代でも50代でも遅くはないし、自分で決めればいい。
だからね、厚生労働省が「助成金は43才未満」って決めたときには、「なんてことをしてくれたんだ!」って思いました。失礼ですよ!治療をやめるかどうかは、国が決めるものではないですから。
Sさん:そうですね。でも、仕事をやめてからは、考え込んじゃうことも多くて。
太田さん:仕事は気分転換にもなりますよ。ゆったりできる仕事をさがしてみては?
私はハーブのお店を経営しているんですが、いい香りの中でリフレッシュできるせいか、パートさんが次々妊娠するの(笑)。
Sさん:いいですね!
太田さん:ケーキ屋さんとか、パン屋さんとか、好きな香りが立ち込めるお店がおすすめですね。
男女でのバランスが悪いからこそ、女性にはごほうびが必要です
不妊治療でのがんばりには男女格差がある
Hさん:私はまだタイミングを半年続けているだけですけど、ただただつらいです。仕事との両立も、生理がくるショックも、友だちの出産ラッシュも…。
太田さん:気持ち、わかります。きょうはご主人がいらっしゃるので言わせていただくけど、女性は本当につらいんです。治療もつらいけど、今月もダメだったっていう落胆は本当につらい。
だからね、落胆と引きかえのごほうびは必要ですよ。「生理がきた」「着床しなかった」。だったら旅行に行くとか、予約困難店でディナーするとか、全身エステとか。“妊娠しなかったから、箱根行けるぞ”みたいなごほうびがね。
Sさん・Aさん:(拍手)
太田さん:男性もがんばっていると思いますよ。思いますけど、不妊治療においては男性のがんばりと女性のがんばりのバランスが、とても悪いんです。
Mさん:それは感じます。でも、なんて励ましたらいいか、わからなくて。
太田さん:ヘタに励まされてもイヤだっていうのもあります。
Mさん:あ、やっぱり(笑)
それは感じます。でも、なんて励ましたらいいか、わからなくて。
太田さん:暗くなられてもイヤだし、明るくされても「なんでヘラヘラしてるの」と腹が立つ。だから、旅行に連れ出して奥さん孝行するのがいちばんですよ。
Hさん:企画力が必要ですね。
太田さん:企画は奥さんがして、請求書だけ回してもらうことも可能(笑)。
おすすめは別府温泉。神秘的な温泉がいくつもあって、歩いて温泉めぐりをするといい運動になります。
のんびりしたいなら、クルーズですね。私一度、神戸港から横浜港までのワンナイトクルーズに行ったんですけど、降るように星がきれいで、驚くほどリラックスしました。
Hさん:いいですね~。
太田さん:それから排卵日にプレッシャーで帰ってこないダンナさんは少なくないですよね。
Mさん・Hさん:ギク!
太田さん:だから排卵日ってことを伝えずに、旅行の予定を組むの。必然的にムードがよくなる(笑)。
それに、楽しい時間をふたりで過ごすなかで、「夫婦ふたりの人生も悪くない」って思ったり。
今は子どもがいなくても、できたら過ごせない時間もある。お金はかかるけど、人は幸せになるために働いているんだから、不妊治療も旅行も食事も、お金を使っていいの。
出産のお祝いは夫婦で行ったほうがいい理由
Aさん:私と同じくらいの年齢のかたのあかほしアンケートですと、友だちの出産報告が多いと気持ちが沈む、というコメントが多いそうです。
みんなちゃんとお祝いしてあげなくちゃって思ってはいるんですよね。それでも…。
太田さん:お友だちに子どもが生まれたら、夫婦でお祝いに駆けつけたほうが絶対にいいです。
Mさん:夫婦ふたりで?
太田さん:古い話ですが私の母は40代で自然妊娠して私を産んだんです。
めずらしいかもしれませんが、40代の妊活だって遅くはないの。
それで母の妹にあたる叔母にも子どもがいなくて、半ばあきらめていたらしいんですけど、私のお祝いに夫婦で東京に来てくれたの。 夫婦で東京見物したりして帰ったら、赤ちゃんを授かった。
全員:すごーい!
太田さん:想像ですけど、赤ちゃんを見ているうちに母性も父性も高まって、妊娠しやすくなった。あとは希望です。高齢の姉でも授かったんだから、自分にも!っていう可能性を感じたのかも。
Mさん:光代さんが赤ちゃんを授けたんですね。
太田さん:そうなの。実は私、そういう力があるんです(笑)。
だって、今まで対談でお会いしたご夫婦は全員授かっていますから。ぜひ、期待してください。
全員:ありがとうございます!
『赤ちゃんが欲しい2019夏』より
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太田光代さん
1964年生まれ。雑誌のモデルをへてタレントに。90年、爆笑問題の太田光さんと結婚。
93年、芸能プロダクション「タイタン」を設立し社長に。97年から不妊治療を開始し、体外受精にトライするもいったんお休み。2010年ごろから治療を再開。2回の顕微授精をへて、3回目の移植の直前に東日本大震災が起こり、さまざまな事情から移植を断念。現在、凍結受精卵2つを保存している。
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