5ページ目(5ページ中) | 年齢のこともわかっているけど「妊娠したい!」身近に話せる人がいない40代 妊活を本音でトーク【モヤモヤを話そう!妊活お茶会レポート】

さらに、先ほど述べたように、ドクターとしては患者さん側が望んでいる「妊娠する保証」のある治療法を提示することはできません。
すると、患者さんは「お医者さんがはっきりと治療法を提示してくれない」と感じ、ドクターからすると「正しい不妊治療の知識を伝えているので、自分の役割はできている」と考えてしまい、いわゆるズレが生じることになります。
では、今後の治療方針などをどうやって決めたらいいかのポイントと注意点をお話しします。
不妊治療の意思決定は、簡単なことではない
みなさんが感じているように、実際のところどう治療を進めていくかを決めるのは本当に難しいことです。たとえ医療者が十分な正しい知識や情報を発信したとしても、その人が重ねてきた経験やそのときの気持ちなどによって受け取りかたも違ってきます。
そういったことを踏まえて患者さんができることは、不妊治療を妄信せず、限界も知ったうえで利用する態度を持つことです。
もちろん疑ってかかれということではなく、医療者とよい信頼関係をつくるためにも、冷静にご自身の状況を理解し、治療することで得られるメリットを考え、利用するということです。その際、医療者はあくまで医学的な立場から、すなわち科学的・客観的な判断を重視するということを知っておきましょう。
医学的な状況は、あくまで意思決定するうえでの重要な要因ではありますが、すべてではないのです。そのことを十分に理解したうえで、自身の大切にしたい価値観を考慮に入れて、治療をどうするか決めていくのです。
つまり、自分の価値観についても把握しておくことが意思決定には大事になるのです。
ただ、私たちの意思決定には、“バイアス”とよばれる気づきにくい先入観のようなものが影響し、それが適切な意思決定を難しくしてしまうことが知られています。
たとえば「現状維持バイアス」は不妊治療でクリニックに通う患者さんにもよくみられるもので、現状から何かを変えることをマイナスと捉えてしまい、変えたくないという意思が働く、こころの傾向のことです。新しい選択肢が提示されても、今のままの治療を続けてうまくいくことを期待するような場合です。
その他、「治療をやめてしまうと、これまでにかけてきた労力がすべて無駄になってしまうのではないか」と思い治療をやめることができなくなっているのは「サンクコストバイアス」が働いていると考えられます。
このように何かを考える際、先入観がないか、思い込みはないか、などを意識するだけでも物の見方が変わってくると考えられます。
大切なのはポジティブな考え方ではなく、客観的な考え方
よく不妊治療中の患者さんは「治療がうまくいくこと以外考えないようにしています」とか、「絶対に妊娠すると信じて頑張ります」とおっしゃいます。本当にそう思えていたらそれはそれでよいのかもしれませんが、我々心理学の専門家からみると、そういった考え方は少し心配になります。「ポジティブ」や「前向き」ということを誤解している危険性があるからです。
ポジティブであることは、よいことだけに目を向けることとは異なります。自分に都合の悪いことに目をつぶって見ないようにしているのは決してポジティブではないのです。その意味で、本当にポジティブな人は、自分を客観視できている人でもあるのです。
また、ネガティブな感情もないことにするのではなく、ネガティブな自分も受け入れ、慈しむことができるのがポジティブな心持なのです。不妊治療をするうえで大切なのは言葉だけのポジティブな考え方ではなく、客観的な考え方をすることと頭の片隅においておいてください。
また、40代だと治療のやめどきのことを考える方もいらっしゃるでしょう。なかには「やめることを考えているから治療がうまくいかないのかも…」と思う方もいるかもしれません。
でもそんなことはまったくなく、治療と並行してやめどきを考えていいんです。いろいろな選択肢を模索しながら、治療を続けるという方法は大いにありです。
治療を始める、続ける、休む、やめるなどは、ドクターが決めることではなく、すべてご自身たちが決めていいことです。
ドクターはあくまでも医療者としての立場で正しい知識や情報の提供はしてくれるので、それをうまく活用して意思決定をしていけるといいと思います。
お茶会を終えて…
Cさん:みなさんとお話しできて良かったです。同年代だったので安心しておしゃべりできました。
Kさん:また、機会があればぜひ参加したいです!そうですね、同じ年代だから話せたこともありました。
Mさん:わたしはこういう会に参加させていただくのが初めてだったんですが、心の内を話すことができて、良かったです。無理にポジティブな考え方をしなくていいんだ、お医者さんってこういう考え方のもとにいろいろとお話をしてくれるんだというのがわかり、とても有意義な時間になりました。
「あかほしお茶会」は今後も不定期開催予定!みなさんも、気軽に参加してみませんか?
(まとめ:高橋 知寿)
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