周囲から簡単に「不妊治療をしたら?」と言われる…高齢出産はめずらしくないと言うけれど【子どものいない女性の生き方】 | 不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし(赤ちゃんが欲しい)
MENU
不妊治療・妊活のクリニック探し・情報収集ならあかほし 妊活ライフ 周囲から簡単に「不妊治療をしたら?」と言われる…高齢出産はめずらしくないと言うけれど【子どものいない女性の生き方】

周囲から簡単に「不妊治療をしたら?」と言われる…高齢出産はめずらしくないと言うけれど【子どものいない女性の生き方】

2024/02/29 公開

画像ギャラリー

「初めて子どものいない女性たちの本音を聞いたときは驚きと戸惑いのほうが大きく、すべてを受け止めきれませんでした」と語るのは、子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」主宰者・くどうみやこさん。

「子どもがいない思い」を閉じ込めた箱を開けるのはとても勇気がいることです。ふれられたくなかった感情や、本人さえ気づかなかった感情があふれ出します。女性たちそれぞれのリアルな人生、本音をくどうみやこさんの著書『誰も教えてくれなかった子どものいない女性の生き方』より抜粋して紹介します。

40代で産むことのあおりと功罪

近年では、40歳以上の高齢出産がめずらしくなくなりました。

厚生労働省「人口労働統計」によると、40歳以上の出生数は1985年が約8000人で、2018年は約5万3000人と晩産化が加速。昔は40代で子どもを産むことはまれでしたが、今は40代で出産しても誰も驚かなくなりました。

それどころか、メディアでも「40代で産みました」と成功例がたびたび取り上げられ、著名人の高齢出産ニュースが頻繁に報じられるようになりました。

40代でも産めると期待をあおり、子どもをあきらめることを遅らせてしまう。あるいは、本人があきらめても、周りから「あの人も40代半ばで産んだし、まだ大丈夫よ」「年齢的にまだ頑張れる」と望まない激励を受けてしまうことがあります。

40代で順調に妊娠・出産できるのは確率的にはとても幸運な事例ですが、メディアの報道や生殖補助医療の技術向上により、子どもを持てる期待年齢が延びてしまったといえるでしょう。「40代のうちはまだ頑張れると言われて、つらい」と嘆く女性たちの声をこれまでもたくさん聞いてきました。


「不妊治療が一般化して、周囲からは簡単に高度不妊治療をしたら?と言われる。一生懸命努力して不妊治療しないと、子どもが欲しくないと考えられてしまう世の中がしんどい。メディアなどで不妊治療からの成功例ばかりが特集されて、それ以外の情報が少なすぎると思います」
(36歳・既婚・専業主婦)

「子どもはいない、もう産めないと答えても、まだこれから産めるよ!と根拠なく堂々と返される。聞いてもいないのに、いい病院があるとすすめられ、いないのひとことで終わらせてくれません」
(40歳・既婚・会社員)


関連記事:子どもがいることだけが「勝ち」「幸せ」ではない。離婚、再婚…私は周りと感覚が違うらしい

知識不足が40代以上の不妊を増加させた

2012年、NHKで『産みたいのに産めない~卵子老化の衝撃~』が放送されて以降、卵子が老化することが周知されるようになりました。それまで正しい知識を持っていなかった女性たちに衝撃を与え、もっと早く知りたかったと悔やむ声が多く聞かれました。

「40代の出産について、どう思っていたか」(下図参照)の設問で、40歳を境に知識の差があったか否かを調査してみました。

40代の出産について、どう思っていましたか?(40歳以上)

 

40代の出産について、どう思っていましたか?(39歳以下)

「妊娠率は低いが努力すれば産める」の回答に差が見られ、39歳以下の8%に対して、40歳以上は20%と2.5倍。「40代でも不妊治療すれば産める」では、39歳以下は4%で、40歳以上は15%と約3.8倍という結果に。

一方、「40代は出産リスクが高いので避けたい」と答えたのは、39歳以下は37%で、40歳以上では17%と、前者が約2.2倍になっています。このことから、年齢によって妊娠・出産に関して知識の差があったことがわかります。


「私たちが20代だった頃は、卵子が老化するとか、状態のいい卵子がどんどん減っていくとか、学校でもそれ以外でも誰も教えてくれませんでした。不妊治療という言葉は知っていても、治療さえすればすぐに授かると思っていました」
(46歳・既婚・パート)

「若い頃から、子どもを授かる年齢や不妊治療の知識があれば、もっと早く子どもを授かるために生き方を変えていたと思います」
(47歳・既婚・会社員)

「同年代の芸能人が高齢出産したニュースを聞くと、気持ちがざわざわします。若いときから不妊についての教育をしてほしかった。生理が順調なら子どもは授かるものだと思っていました」
(42歳・既婚・専業主婦)


予期せぬ不妊に悩まされた世代は、子どもを得る能力である妊孕性(にんようせい)に関する教育不足や労働環境・社会制度の不備で、簡単には産めない状況化に置かれていました。それは社会がつくり出したものでもあるのです。

関連記事:「子どものいない人生が決まった女性」から見えてきたもの/産まない・産めない・産みそびれた…その本音とは

【書籍情報】

『誰も教えてくれなかった子どものいない女性の生き方』(主婦の友社)
●Amazon  ●楽天

あわせて読まれている記事
「子どもをあきらめたあとのほうがつらかった」その後、起こったのは人生観を変える出来事【リアルストーリー】

【私が41歳で不妊治療をやめたわけ】医師からの「残念ながら…」を聞くのがつらかった/マンガ家・海原こうめさんインタビュー

関連タグ

大人世代のライフスタイルからマーケティングまで、時流やトレンドをとらえた独自の視点で情報を発信。近年は子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰。自分らしく自由で軽やかに過ごすライフスタイルを理想に掲げ、新たな価値観や生き方を提唱。これからの大人スタイルを追求している。著書に『商品PRのやり方が面白いほどわかる本』(中経出版)、『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』(主婦の友社)がある。マダネ プロジェクト「つながるサロン」(子どものいない女性限定) GoodMorning by CAMPFIRE (https://community.camp-fire.jp/projects/view/446996)
マダネ プロジェクト https://www.madane.jp/

Twitter LINE
人気記事ランキング
  • 24時間
  • 月間
閉じる