2ページ目(3ページ中) | 「僕たちの赤ちゃんを取られたわけじゃないよね?」夫の一言でハッとしました【100人の妊活・不妊治療記#002】
流産手術をした先生から、「29歳で2回連続で流産しているし、不育症の可能性もあるかもしれない」と言われて、初めてそういうものがあるのだと知ったんです。「専門の先生に診てもらったほうがいい」と言う先生のすすめもあって、紹介された不育症治療を得意とするクリニックを受診することになりました。流産を防げる方法があるのなら、ぜひ知りたいという思いとともに…。
でも、原因は見つかりませんでした。
夫婦2人とも血液検査や染色体の検査もしましたが、分からなかったんです。
でも、不育症の人の半分くらいは原因不明なのだそう。でも、もし夫婦どちらかに原因が見つかっていて、それが大きな問題だったら、私たち夫婦はきっと相当ショックを受けていたと思うんです。だから、逆に2人とも何も見つからなくてよかった、と考えるようにしました。
ちょうどそのあたりから、世界はコロナ禍に突入。当初はどんな病気なのか、何もかもわからず、不要不急の外出を控えて、妊娠も控える傾向にありましたよね。私もコロナウイルスがこわかったですし、2回流産していたことも重なって、しばらく積極的な妊活を控えることにしました。妊活を再開したのは、それから約1年半後、31歳のときです。
なぜか妊娠しない…不妊治療をスタートし、すぐに体外受精にトライ
妊活を再開してからは、以前と同様に自己流でタイミングをとって自然妊娠を希望していましたが、一向に授かりませんでした。不育症のクリニックの先生からの、そろそろ不妊治療をはじめてみては?というアドバイスもあり、紹介されたクリニックに通うことにしたんです。
タイミング1回、人工授精を2回行いましたが、ダメでした。その後、主治医の異動にともなって、私も転院。転院先で、もう一度ひと通り検査をしましたが、やはり原因は見つかりませんでした。それで、1周期だけタイミングをみて、すぐに体外受精にトライすることにしたんです。
すでにその前のクリニックで人工授精に2回トライしているし、タイミングも人工授精も妊娠の確率はあまり変わらないという話を先生からも聞いて、夫婦で決めました。ちょうど、そのころから不妊治療の保険適用がはじまったことも、体外受精をする後押しになりましたね。
それに、これだけがんばってるんだから、早く妊娠しなければ…という変なプレッシャーも感じていました。結婚して5年、妊活をはじめて3年。いろんな検査も受けたし、治療もしているのに、私たち夫婦にはまだ子どもがいない。だったら一気に体外受精にステップアップしてみようと。それでも妊娠できないなら、自分でも納得できるだろうと思ったんです。
「自分たちの赤ちゃんをとられたわけじゃない」
はじめての体外受精は仕事との両立が大変でした。治療のためには、突発的に遅刻したり早退したり休んだりする必要があるので、直属の上司にだけは不妊治療をしていることを報告。でも繁忙期関係なく休んだり早退したりしないといけないので、職場の人たちには申し訳ない気持ちに。
私の職場は、ママさん社員が結構多いんです。だから、早退や急なお休みにもある程度は理解があるほうかもしれません。でも、ママさんが多いということは妊娠する人も多い。私より後から入社した人が先に産休・育休をとることもあって、落ち込むというか、先を越されたような、複雑な気持ちになったこともありました。
でも、そんなときに夫が「その人が妊娠したからといって、ぼくたちの赤ちゃんをとられたわけじゃないし、妊娠できないわけでもない。気にしなくていいよ」と言ってくれて。ああ、本当にそのとおりだなと。この夫からの言葉で気持ちを切り替えることができました。
期待しちゃダメなのに…期待しました
体外受精では、夫の精子の状態をみて顕微授精に。6つの凍結卵ができ、うち1つをお腹に戻しました。
顕微授精では6個の凍結卵ができました
正直、「妊娠できるんじゃないか」と、期待しましたね。期待しちゃダメって頭ではわかってるんです。でも何日間も自己注射をして、採卵もすごく痛かったし、移植も痛かったし。これまでのタイミングや人工授精とはお金のかけかたも時間のかけかたも、全然違います。だからそのぶん、かなり期待してしました。
そして判定日。
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