2ページ目(2ページ中) | 「一人になって、子どもが持てないのだと気がついた」50歳を前に覚悟は固まってきたけれど…【子どものいない人生】

その後、卵子凍結や養子縁組について調べ始めました。当時、卵子凍結は海外での事例が多かったので、実際にするまでには至らず。養子縁組は、結婚していて、子どもとの年齢差にも制限があることを知りました。すべてが遅かったんです。仕事から卵子凍結による出産にシフトする生活を選択することもできませんでした。
うらやましい子ども連れの姿
結局、そこまで強く子どもが欲しくなかったのかと聞かれると、それは違う気がします。子どもがいることが普通だと思っているから。3人きょうだいで育って、大人同士とは違う子ども同士の世界が当たり前にあった。そして、自分がやれることはできるだけやってみたいという気持ちはあったものの、優先順位の上にあったのは仕事でした。
あるとき会社で「子どものいない人にはわからない」と言われたときはとても悲しかったです。
子どもはいやではないけれど、ファミリー層の多い街やマンションには住みたくないし、子ども連れの多いイベントや飲食店には近づかないようにしています。あえて子ども連れのシャワーを浴びる必要はないと思っています。
最近は中高生の子どもと仲良く話している親子の姿を見ると、「自分にもこういう時間が持てたのかもしれないな」とうらやましくなるときがあります。
自分が何も生み出していないと思っていたときに「あなたがつくった番組もあなたの子どもなんだから」と言ってくださる方がいました。子どもがいないことをポジティブには受け止めていなかった自分にとって、ありがたい言葉で涙が出ました。
50歳を目前に定まる覚悟
50歳を迎えるにあたって、これから自分はどうやって生きていきたいのか、やっていきたいこと、やりたかったことを考え始めるようになりました。
50代になると、60代、70代が遠くない未来に感じられてくるので、自分らしい生き方とは何だろうかと。子どものこともその中にある一つの要素で、現状を受け止めるしかないと覚悟も定まってきました。
ただ、100%受け止めているかと問われると、そうとも言いきれない瞬間はあります。
2019年10月に甚大な被害のあった台風19号で避難したとき、親子で避難している人がうらやましかったし、お正月やお盆の大型連休も。これからも寂しい日、不安な日があると思う。でも子どものいない自分の人生はまだまだ続くから、仕事のペースが変わったり、退職してから、子どものお役に立てるようなことを始めるのもまだまだ遅くないのかなと思っています。
実は20代の終わりから、海外の恵まれない子どもたちの援助をしています。そのときはまさか自分が子どものいない人生を歩むとは夢にも思っていませんでしたが、海外で見た小学生の売春の状況に衝撃を受けて、自分も何かできないかと思ったのがきっかけでした。
これまで継続的に26年、多くの子どもたちに支援を続け、たまに届く手紙やリポートで生活が改善されている様子を知るとうれしいです。これも「あしながおばさん」として親っぽいことかなと思っています。ただ本音をいえば、次の人生では子どもを持ちたいです。
<I・Tさんの歩み>
幼い頃から年下の子の面倒を見てきたⅠさんには、どこか親性を感じるところがあります。20代から子どもの援助を続けることはなかなかできることではなく、心まで立派な方です。
【主な出来事】
テレビ番組の制作会社に就職し、多忙な日々で結婚より仕事を優先。東日本大震災が起こり、すべてが遅かったと悟る。
50歳を迎えるにあたり、自分らしい生き方を考え始め、受け止めるようになる。自由度が高い単身だからこそできる仕事と趣味を楽しみつつ、海外の子どもたちへの支援は継続中。
<I・Tさん歩み年表>
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大人世代のライフスタイルからマーケティングまで、時流やトレンドをとらえた独自の視点で情報を発信。近年は子どものいない女性を応援する「マダネ プロジェクト」を主宰。自分らしく自由で軽やかに過ごすライフスタイルを理想に掲げ、新たな価値観や生き方を提唱。これからの大人スタイルを追求している。著書に『商品PRのやり方が面白いほどわかる本』(中経出版)、『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方』(主婦の友社)がある。マダネ プロジェクト「つながるサロン」(子どものいない女性限定) GoodMorning by CAMPFIRE (https://community.camp-fire.jp/projects/view/446996)
マダネ プロジェクト https://www.madane.jp/
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