【大山加奈さんインタビュー】不妊治療で双子を妊娠するまで⑤~頑張っても結果がなかなか出ない妊活だからこそ~
力強いスパイクを武器に日本女子バレーボールをアテネオリンピックへと導き、現在は指導者として活躍中の大山加奈さん。体外受精で双子を妊娠したことを公表し、ご出産された加奈さんの妊活・不妊治療インタビュー完結編です。
前回の「治療ストレスを癒やしてくれた愛犬との生活」に続き、加奈さん流のストレスとのつきあい方や気持ちのコントロールについて伺いました。
加奈さんは2021年2月19日、無事に双子の女の子をご出産されました。おめでとうございます!!
これまでの大山加奈さんインタビュー↓
①~結婚そして、はじめての採卵・体外受精
②~体外受精の結果が出ない!妊娠報告がつらい!
③~コロナの自粛期間で気持ちに余裕が~
④~ストレスを癒やしてくれた大切な存在~
頑張っても頑張っても結果につながるわけではない妊活

幼少期からバレーボールを続けてきた私。でも「バレーボールでの経験が妊活に何かプラスになった?」と聞かれたら、「ありません(笑)」と答えます。
「(スポーツ選手なら)出産なんて余裕で乗り越えられるでしょ」と言われることもありますが、バレーボールは命がけじゃないですからね。妊娠・出産は命がけ、こちらのほうが100倍たいへんと感じます。
現役時代は絶対日本一になる!オリンピックに出る!と強く思い続け、高い目標に向かってひたすら走り続けてきました。頑張れば頑張っただけ成長できたし、結果も出た。
一方、妊活は頑張っても頑張っても結果がなかなか出ない。むしろ頑張りすぎることがストレスになり、結果につながらないことも…。
授かることをあきらめたくない、でもストレスも嫌
あきらめることのむずかしさはこれまで経験しなかったことで、治療中は自分の気持ちをどんなふうにコントロールすればいいのか、葛藤がありましたね。
結局、授かったのは頑張りすぎなかったとき。でもふつうはそんなに簡単にあきらめられないし、妊活のストレスをなくすのもむずかしいですよね。
私の場合、最初に治療していた3年間はつい他人と自分をくらべてしまったりして、幸せだと思えなかった。でもだいずが来てからは毎日、心から幸せだと思いながら過ごせるようになりました。そこがいちばん大きいのかもしれませんね。

妊娠3カ月のエコー。エコーにもちゃんと2人!双子が写ってました!
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住んでいる自治体に体外受精の助成金の申請手続きをしました

不妊治療はとても高額なので、金銭的な問題で断念される方も少なくないと聞きます。
できることを全部やってダメなら納得できますが、お金がなくてあきらめざるを得ないというのはすごく悔いが残ると思います。どんなご夫婦も治療を続けられる社会になってほしい。
3年前にはじめて体外受精をしたときは知識がなくて申請しなかったのですが、今回は助成金の申請をしました。
地域によっても違いますが、私の場合、体外受精は1回で60万円くらいかかったので、その半分くらいは戻ってくるのかな。本当は全部戻るのが理想ですけど。
働きながら不妊治療がしやすくなればいいな、と思います。治療にはお金がかかるので、仕事はやめられない。でも、治療は生理周期に合わせてすすむので、仕事を休まざるを得ないこともある。
仕事と治療の両立にはみなさん悩まれていますよね。治療中も産休のようにお休みできる制度など、両立できる環境が整えばいいですね。
不妊治療は保険診療が適用されるようになりました
⇒保険による不妊治療の「お金」まとめました/保険診療で受けられる項目と料金・早見表一覧
妊活中のみなさんへ。大山加奈さんからのメッセージ
妊活中は頑張りすぎず、まずはご自分をたいせつにしてほしいなと思います。私も治療中は他人とくらべて自信をなくしたり、自分が嫌いになったこともありました。でもみなさんは一人一人特別な存在で、なかなか子どもを授からないから女性としてダメということは一切ありません。
前向きになるのはなかなかむずかしい状況ですが、何か没頭できる好きなことを見つけるなど、ご自分を思いっきり甘やかしてあげてください。
赤ちゃんをのぞむすべてのかたのもとに天使が舞い降りるよう心からお祈りしています。

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大山加奈さん

1984年6月19日、東京都生まれ。元女子バレーボール日本代表。高校在学中に日本代表に選出され、オリンピック、世界選手権、ワールドカップと三大大会すべての試合に出場。「パワフルカナ」の愛称で親しまれ、日本のバレーボール界を牽引。2010年に引退後は全国での講演活動やバレーボール指導、解説など多方面で活躍する。2020年9月、ブログで双子の妊娠を発表。2021年2月双子の女の子を出産。公式ブログ
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